「グローバル難民フォーラム」の宣言(Pledge)とは?

【「グローバル難民フォーラム」とは?】

世界中で難民問題が拡大・複雑化するなか、さまざまな形で難民支援が広がっています。その経験や知見を共有し合い、難民支援のあり方を考え、行動につなげる場として、2019年に「グローバル難民フォーラム」が始まりました。多様な支援の“担い手”が一堂に会し、難民も無国籍者も、すべての人が共生できる社会に向けた仕組みづくりを行います。

 

【「宣言」とは?】

UNHCRは「グローバル難民フォーラム」に向けて、世界各地で実施・計画中の支援や提案を「宣言」として集めています。

目指すは、難民や受け入れコミュニティ、無国籍者のより良い未来のために、”誰一人取り残さない”社会を実現すること。そのために、それぞれの分野の強みを生かした、具体的な取り組みが必要とされています。

誰でもどこからでも、オンラインで提出が可能です。皆さんの取り組み、ぜひこの機会に共有してください。

 

 

■ どんな取り組みが「宣言」になる?

・資金、物資、技術支援
・第三国定住、補完的受け入れ
・難民のインクルージョンや新たなイニシアティブにつながる政策や実践

■ 誰が提出できる?

・国連加盟国、オブザーバー国家
・国連のシステム内外の国際機関などのステークホルダー
・国際赤十字・赤新月社運動の関連団体、人道・開発アクター、国際・地域の金融機関、自治体、市民社会、学術界、民間セクター、メディア
・難民、受け入れコミュニティ

■ 重視すべきポイントは?

難民に関するグローバル・コンパクト」で重視されている4分野
・難民受け入れ国の負担軽減
・難民の自立促進
・第三国定住の拡大
・安全かつ尊厳ある帰還に向けた環境整備

■ 難民受け入れ国の負担軽減に必要な取り組み

・資金提供、リソースの効果的・効率的な活用
・地域・準地域レベルでの取り組み
・支援プラットフォームの形成
・データ・証拠の収集
・根本的原因への対応

■ 「宣言」で考慮すべき主な項目

・「難民に関するグローバル・コンパクト」への貢献
・「第1回グローバル難民フォーラム」で議論された項目への対応
・負担と責任の共有
・大規模な難民危機への対応として、国やステークホルダーの枠を超えた支援基盤の拡大
・難民と受け入れコミュニティへのニーズ、具体的な利益につながる対応
・他のステークホルダー(難民・受け入れコミュニティ)とのパートナーシップの発展・導入
・年齢、障がい、ダイバーシティへの配慮
・難民・受け入れコミュニティの生活への持続的かつ実質的な変化
・新規もしくは追加的に強化すべき取り組み(特に「難民に関するグローバル・コンパクト」の検討が始まった2016年以降)
・現実的、先見的、具体的、行動指向的
・一定期間で成果が計測可能

▶提出方法、詳細についてはこちら(英語)

            【「第2回グローバル難民フォーラム」日本から提出された宣言】

タイトル 内容 分野

対話と交流による学習を通じた難民問題と貧困問題の解決へのアクション

名古屋経済大学市邨高等学校

ICTを活用した双方向型の対話的な学びを通じて、パートナーシップ協定校(国立台湾鳳山商高校・埼玉県立越谷北高校)間の交流活動を強化し、専門家、地方公共団体や企業の協力を得て、世界の難民問題・貧困問題とその解決を目指す取り組みについて学び、さまざまな支援活動に参加し、問題の解決に貢献する。これにより生徒自身が持続可能な開発目標(SDGs)の各項目に横断的に取り組み、自己肯定感を高め、未来を切りひらく能力を開発する機会を創出する。 教育

包摂指標による働きやすい企業の評価・啓発

[Welcome Japan就労分科会・包摂指標委員会]
認定NPO法人Living in Peace
パーソルホールディングス株式会社
国立大学法人東京大学

組織が文化的多様性を価値と認識し、主体的な就労環境改善が推進される社会を創る。難民を含む外国にルーツを持つ人々の包摂をめざす職場環境評価指標「Cultural Diversity Index」で企業/法人の取り組みを認証する(目標:2024年に20法人を認証)。 就労
海外からの受け入れ

亡命知識人としての包摂・育成

[Welcome Japan 教育分科会・「亡命知」委員会]
国立大学法人京都大学
合同会社madoromism

難民背景があり高度な専門性や技能を有する人々へのインタビューを行い、知見を広く発信し、セクターをこえて、日本における亡命知識層の新たな活動や仕組みを生み出す。勉強会やシンポジウムを定期的に開催し、研究者と実務家の協働を促進し、共生社会に向けたアイデアを共有する。多言語対応のメディアを運営し、難民をめぐる課題について議論する場、および研究者、実務家、難民当事者がそれぞれの問いや知的関心を共有し、協働によって見出される「知」を発信する。日本での「難民」イメージを刷新し、海外発信に向けたハブとする。 教育
意義ある難民の参加
文化
平和構築

DX人材としての教育・就労機会の拡大

[Welcome Japan 就労分科会 DX人材委員会]
株式会社Annotation Support
株式会社BonZuttner
株式会社Eukarya
一般社団法人Robo Co-op
株式会社Shared Digital Center
株式会社Peopleport
Persol Cross Technology株式会社

難民が「難関を突破できるグローバルDX人材」として活躍できるよう、教育・就労機会の拡大に取り組む。10億円のキャリアインパクトボンド(出世払い方式の奨学金)に向けたペイフォワード基金の組成と、100億円のITアウトソース案件(デジタルインパクトソーシング)獲得を目標とする(2025年日本国際博覧会「大阪・関西万博」の共創チャレンジとしても登録)。 就労
教育
デジタル
海外からの受け入れ

アートを通した包摂

 [Welcome Japan アート分科会]
Artolution
株式会社Eukarya
一般社団法人Robo Co-op

難民向けのオンラインでのアート・デジタルワークショップを提供し、難民のメンタルヘルスケアと社会経済的な包摂に焦点を当て、デジタルリスキリングとアップスキリングを通し、難民が自立を得るためのトラウマ緩和を目指す。本取り組みは、2024年から2027年にかけて、世界各地で100のアートとデジタルワークショップを実施し、1,000人の難民にトレーニングを提供する計画で、メンタルヘルスの改善とデジタルスキルの習得を促進する。 就労
教育
文化
デジタル
医療・保健・福祉
社会統合
意義ある難民の参加

難民による難民のためのデジタル包摂

一般社団法人Robo Co-op

難民による難民のためのデジタル包摂を拡大するグローバルなパイオニアとして、誰もがありのままに輝けるよう、2027年までに、①教育:10のNGOや大学と協力し、10の民族グループから300人をリスキルし、難民コミュニティ内で持続可能な教育サイクルを構築、②就労:100〜200人の難民メンバーの合計300万米ドル分の収入となるよう、ソフトウェア会社10社との戦略的提携や企業連携を通じて、ITアウトソース案件などによる500万米ドル分の事業開発を実現、③経営:更なる次世代を教えることができる100人のコミュニティメンバーを確立し、民主的な意思決定を通じた持続可能な経営基盤を担保。 就労
教育
デジタル
社会統合
意義ある難民の参加
海外からの受け入れ

住居アクセスへの実態調査

 [株式会社LIFULL及び Welcome Japan住居分科会]
株式会社LIFULL

強制移動を経験し、現在日本に住む難民・避難民の方々が直面する住まいの課題を明らかにすることを目指し、約200世帯に調査を実施。収集したデータをもとに報告書を作成し、一般公開する。この調査は、不動産会社、オーナー、保証会社、自治体などのステークホルダーや一般の人々に住宅問題の認識を高め、解決策の議論を促進することを目的としている。また、課題解決へのアプローチについても検討を進めていく。 住居

産業界とのオープンイノベーションを通じた難民包摂

 [Welcome Japan就労分科会]
一般社団法人Welcome Japan

日本らしい共生社会の実現と日本経済の持続的な成長の両立に向け、対話とアクションを通じて難民のキャリア形成機会を拡大。ビジネスリーダーたちと連携しながら、難民の自立と共生社会に向けたビジネス開発や適切な雇用機会の提供などを奨励し、さらなるイノベーション創出を加速させ、日本の労働市場、ひいては日本社会への難民の包摂を目指す。難民支援に意欲的な企業のCXOが集う「Welcome CxOカウンシル」を代表的な取り組みとし、参加企業は難民採用やインパクトソーシングなどのイニシアチブを強化するためのアイデアや課題などを共有するための機会を提供していく。 就労
教育
文化
デジタル
医療・保健・福祉
社会統合
住居

企業による雇用包摂:「100club

[Welcome Japan就労分科会]
一般社団法人Welcome Japan

日本にいるすべての難民のために、包括的な就労環境の発展に取り組むべく「100Club」を立ち上げ、特に雇用とキャリア開発の分野において、さまざまな形で支援の提供を約束する企業を集めたプラットフォームとする。正規雇用だけでなく、業務委託やメンターンシップ、インターンシップ拡大など、多様な雇用包摂に向けた100のアクションを奨励すべく、各企業の取り組みの公表やベストプラクティス共有、難民支援団体からのアドバイスなどの機会を提供する。2027年までに少なくとも100社が難民の就労機会を筆頭としたアクションを起こすことを促していく。 就労
海外からの受け入れ

難民当事者によるコンサルテーションの実施

 [[Welcome Japan Refugee Consultation 委員会]Japan Bridge
EmPATHy
一般社団法人Welcome Japan

難民の背景を持つ多様な個人や組織と協力して「Refugee Consultation Initiatives」を実施する。Welcome Japanによるさまざまなイニシアチブや分科会の場、ユースなんみんプラットフォームなど、ステークホルダーとの対話を通じ、政策やサービスへ難民の声や経験が反映されるプロセスを推進する。グローバル・リージョナルなネットワークと協力も視野に入れ、2027年までに40回以上のコンサルテーションの実施を目指す。 社会統合
意義ある難民の参加

メンタルケアの知見整備・連携促進

[Welcome Japan Well-being分科会 メンタルケア委員会]
一般社団法人全国心理業連合会
ウクライナ心のケア交流センター
渋谷ひまわり

メンタルヘルスの重要性を認識し、ウクライナから避難した方だけでなく他の難民や外国籍の方々への支援への知見の応用を目指し、これまでの活動で培ったメンタルヘルス支援の枠組みや対応のポイントをまとめた包括的なケースブックの作成および難民のメンタルヘルスニーズに対応するスキルを提供するキャパシティ・ビルディング ワークショップを開催する。日本にいるウクライナから逃れた方々が安心して生活し、活躍できるようなメンタルヘルス支援を提供することを目的とし、他の難民支援団体にも参考となる指針を提供することを目指す。 医療・保健・福祉
意義ある難民の参加

難民を含む在留外国人への包括・包摂的な支援の実施について

認定NPO法人難民を助ける会
認定NPO法人シャプラニール=市民による海外協力の会
公益社団法人シャンティ国際ボランティア会
社会福祉法人さぽうと21
弁護士法人東京パブリック法律事務所
としま多文化ネットワーク
公益財団法人浜松国際交流協会

政府はこれまで、留学生および外国人就労に関して、受け入れを拡大させてきたが、十分な受け入れ・支援体制が整っているとはいいがたい状況にある。こうした状況下で、適切な支援につながらず、困窮する外国人は少なくない。在留外国人の年齢層は子どもから大人までおり、かつ抱える問題も、就労、就学、住居、医療など多様である。しかし現状ではそうした問題に包括的に取り組むことができる体制は十分に整っていない。そこで、本プレッジは、次の4年間を通して、さまざまな問題に取り組む多様なセクターと広く連携して、在留外国人のそれぞれのライフステージや多様なニーズに応じた、包括的、包摂的な支援を実施することを宣言する。 保護制度
就労
教育
医療・保健・福祉
住居
意義ある難民の参加

HDPネクサスの枠組みに基づく難民および難民申請者への支援の強化

ジャパン・プラットフォーム(JPF)加盟NGO団体

JPFの加盟NGO団体は、それぞれの強みを生かしながら、これまでに2,100を超える人道支援活動を、60以上の国や地域で実施してきた。JPFの加盟NGO団体は、2023年~2027年にかけて、難民支援や社会的弱者への人道支援を実施する。具体的には、「人間の安全保障」と「人道・開発・平和の連携」のコンセプトのもと、JPFの加盟NGOは、人道危機の初期だけでなく、長期化する危機においても、紛争や現地の状況に精通している地元組織との連携を通しての相互学習を重ねながら、必要な支援を届けていく。 緊急人道支援
開発
平和構築

日本における教育と就労を通じたパスウェイズ(=受け入れの道筋)の推進

一般財団法人パスウェイズ・ジャパン

16の大学との協力を通じ、新たに20人の難民を受け入れ、また受け入れ済みの65人への支援を継続して、日本語・高等教育と就活支援を提供する。さらに受け入れ大学・学生のネットワークを運営し、受け入れ大学を拡大する(以上4億600万円の貢献)。また9校の日本語学校との協力を通じ、新たに96人の難民を受け入れ、2年間の日本語教育、進学・就活支援を行い、採用企業のネットワーク構築と難民の運営参加を進める(以上2億3,600万円の貢献)。さらに、アジア太平洋での教育と就労を通じたパスウェイズの定期会合を開催し、普及を促進する。 海外からの受け入れ
社会統合
教育
就労

日本における難民の高等教育推進のための奨学金プログラムの提供

一般財団法人パスウェイズ・ジャパン

渡邉利三国際奨学金プログラムにより、日本在住の難民を対象に、2027年までに年9~18人、のべ77人の大学・大学院での高等教育を支援することで、難民の自立と自己実現に寄与し、2030年までに難民の高等教育進学率15%のグローバル目標達成に貢献する(以上9,500万円の貢献)。 教育
社会統合

難民包摂を目指す日本語教育プログラム

ISIグローバル株式会社

難民の自立と日本社会への包摂を支援するために、難民のための日本語支援プログラムを設立。最大2年間のプログラムの中で、2023年12月現在までに30人の難民に日本語教育を無償で提供。言語教育を通じた難民の自立促進と日本社会で描く未来・夢につなぐ支援を目指す。難民支援団体との継続した協力・連携のもと、毎学期40人の奨学生在籍枠を設け、日本の難民への日本語教育支援の実施を目指す。 教育
社会統合

危機対応マッピング

[Welcome Japan危機対応分科会・デジタルマップ委員会]
株式会社Eukarya

危機マップの開発を通し、難民の支援ニーズとリソースを視覚化し、危機対応の効率と効果を向上させることを目指す。デジタルマッピングとデータ可視化ツールの開発に取り組み、ブロックチェーン技術を利用したGEOINTシステムの設計も含め、危機対応能力の強化に貢献することを目的とする。この取り組みは、様々な危機に対応可能なスケーラブルで適応可能なデジタルマップを作成し、難民と危機に直面する社会のためにより効果的な支援を目指す。 デジタル
海外からの受け入れ

探求学習を取り入れた日本語教育全国展開 

 [Welcome Japan教育分科会 日本語教育委員会]米国北東部日本語教師会
特定非営利活動法人Movement for Language and Culture JAPAN
株式会社Eukarya

日本にいる難民に日本語支援を提供するために、他国のベストプラクティス等に基づき、難民と日本の地域社会の双方に利益をもたらす全体的なアプローチを目指す。都市部と地方部それぞれの環境における独自のニーズと機会を認識しながら、日本社会への統合と、相互理解を目指し、グローバル市民意識と包括的な世界観の育成を重視。このプログラムを通じて、難民が日本社会に貢献し、文化的な隔たりを橋渡しする役割となることを目指す。 教育
社会統合

あらゆるいのちと尊厳を守る

世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会

(1)諸宗教ネットワークを通じて、日本国内の宗教コミュニティが持つ人的、物質的、倫理的資源を活用した難民受け入れを推進し、(2)諸宗教に共通するケア、愛、慈悲の精神に基づき、難民の方々を隣人として迎え入れ、分かち合う生き方を実践するための啓発活動を実施、(3)日本に避難を余儀なくされた、特に女性の難民・避難民の方々が日本で直面する課題の調査と支援、(4)日本の難民政策の動向に着目し、人間の尊厳の観点から保護・受け入れがなされるよう日本政府へ提言を行う。
海外からの受け入れ

世界食糧計画等の国際機関との連携を通じたロヒンギャ難民の自立支援 

株式会社ユーグレナ
グラミンユーグレナ合弁会社

1.雇用創出を通じてロヒンギャ難民キャンプ周辺地域のホストコミュニティに貢献
2.バサンチャールなどにおける市場連動(market linkage)の可能性を模索
3.地産地消モデルを通じて、ロヒンギャ難民への食料(緑豆)供給を支援
就労
社会統合
意義ある難民の参加

日本国内における意識啓発の取り組みを通じた難民支援の拡大 

宗教法人創価学会

2024年からの4年間、意識啓発活動をはじめ、以下の難民支援の取り組みを継続して実施することを約束。
・国連UNHCR協会主催難民映画祭の「難民映画祭パートナーズ」として活動し、難民問題に関連する映画の上映会を実施。(毎年約1,000人が参加予定)
・発行部数550万部の当会日刊機関紙「聖教新聞」にて、個々人による難民支援のためのアピールを実施。主に、月に1度、国連UNHCR協会広告の無償掲載や、難民当事者や難民支援団体関係者や識者へのインタビュー掲載。
・難民関連展示の全国的な巡回活動(年間5会場で開催し、約1万人が参加予定)。
・UNHCRおよび国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への継続的な支援、ならびに必要に応じた緊急人道支援の実施。
・国内の関係の大学における難民の進学受け入れをサポート。
教育
文化
緊急人道支援

音楽教育プロジェクト「音楽は私たちを繋ぐ」

宗教法人創価学会
NGO「国境なき音楽家」
難民や受け入れ国のヨルダンの子どもたちへ音楽教育を実施する、地域に根ざした音楽教育者の育成を目指して2021年に開始。音楽教育者育成のための研修と音楽療法に焦点をあてた研修を実施し、この3年間で91人の研修生が参加。プログラムの一環として400以上のワークショップを実施し、難民などの背景を持つ子どもたち1,200人以上が参加。2024年からの2年間は、新規フェーズとして、障がいを抱える子どもたちや、少年院や孤児院出身の若者への音楽を通じた支援にさらに注力し、難民および受け入れ国のコミュニティにおいて、毎年300人以上の子どもたちへ音楽教育を提供することを約束。
就労
教育
文化
社会統合
平和構築

難民高等教育プログラムの拡充による難民の高等教育の機会創出

難民高等教育プログラム(RHEP)事務局

UNHCR難民高等教育プログラム(RHEP)はUNHCR駐日事務所および国連UNHCR協会が、日本の15の大学と協力して、社会経済的に高等教育を受けることが困難な難民の若者にその機会を提供するものである。これまで約100人がその機会を享受し、現在も約40人が大学および大学院(博士課程含む)で、未来を切りひらくために学ぶことができている。今後4年間で、RHEP事務局は、パートナー大学の数を20に、受益者もさらに約100人に拡大し、高等教育を受けられる学生数を4年間の終わりには最大200人とすることを誓約する。そしてその目的のために、さまざまな市民社会のアクターと連携し、高等教育を基軸にした難民包摂社会を各方面で実現していく。
教育

日本の仏教界における難民支援の新たな取り組み

公益財団法人全日本仏教会

日本には約75,000の伝統仏教寺院が存在し、信仰者同士の強固なつながりがある。全日本仏教会は、日本の伝統仏教界における唯一の連合組織として、仏教団体、宗派寺院、信仰者のつながりの力を結集し、4年後のグローバル難民フォーラムに向けて支援活動の推進や連帯を目指す。具体的には、世界難民の日に寺院の建物を青くライトアップし平和の祈りを捧げ、また各寺院で募金活動や難民問題について講話を行うなど、地域の中心として情報発信し、広く難民問題と世界平和について考えることに努める。そして、強制的に移動を余儀なくされた方々の心に寄り添い、自治体、企業、団体と協力し、難民コミュニティ支援の認識を高め、共に行動していくことに取り組む。
連帯

ファーストリテイリングとUNHCRのグローバルパートナーシップ2023 – 2027


株式会社ファーストリテイリング

UNHCRとのグローバルパートナーシップのもと、ファーストリテイリングは衣料支援、自立支援、緊急支援、アドボカシー活動や資金調達に関する協力などを通じて、難民・国内避難民などやホストコミュニティに貢献する。2023年10月から2027年8月までの間、600万米ドルを拠出する。これにはバングラデシュにおける難民女性の自立支援プログラムが含まれる。また、世界の難民キャンプなどに年間最大1,000万枚の衣料支援を行うことを目標とし、難民雇用も継続的に実施する。”届けよう、服のチカラ”プロジェクトでは、難民問題に対する認知度向上活動を小中高で実施。さらに、チャリティTシャツプロジェクト「PEACE FOR ALL」の収益金の一部による追加支援を実施する。
就労
教育
社会統合
海外からの受け入れ
意義ある難民の参加
緊急人道支援

難民の健康と安全な水へのアクセス強化・COVID-19の回復努力・病気の予防支援


ソニーグループ株式会社

1. 健康とWASH(水、衛生設備、衛生)へのアクセス向上のための資金援助:
2023年から2026年までの3年間、「新型コロナウイルス・ソニーグローバル支援基金」から600万ドルを拠出し、バングラデシュおよび南部アフリカ地域にて難民・国内避難民が健康と安全な水、衛生設備、衛生へのアクセスを改善する活動を支援。
2. ソニーの専門知識、技術、およびその他のリソースを活用:
ソニーが持つ広範な専門知識、世界クラスの技術、事業インフラを活用し、UNHCRが支援している難民・国内避難民へより良い保健サービスを提供し、WASHのインフラと提供を改善し、健康と栄養に関する重要な情報を提供するための支援。
医療・保健・福祉

難民の意義ある参加を促進する、ユース主導のグローバル難民フォーラムとユースなんみんプラットフォーム


ユースなんみんプラットフォーム(YRP)

「ユースなんみんプラットフォーム」は、難民に特化した日本のユースプラットフォーム組織として、日本をはじめとする世界各国の難民と若者とともに、
1. ともに連帯を強化し、インパクトを拡大する
2. ともに学ぶ
3. ともに難民と連携する
4. ともに社会を形作る
以上により、難民など多様な背景を持つ人々の意義ある参加と社会全体での取り組みを推進する。
意義ある難民の参加
社会統合
教育
文化
医療・保健・福祉

FACMCによるGRFに対するコミットメント


移動する子どものために行動する宗教(FACMC)

FACMCは各国政府、地域関係者、専門家らと連携し、以下を宣言する。
・2025年まで:難民と受け入れコミュニティの子どもの精神的健康を支えるプログラム開発の為、政策概要と実施を支援する。
・2027年まで:子どもの精神的健康の手引を更新する。
・2028年まで:子どもと地域社会と協議しつつ、宗教指導者や精神的健康の専門家の訓練や能力構築のリソースを開発する。
・2028年まで:難民と受け入れコミュニティの子どもの精神的健康プログラムの効果やエビデンスを構築する。
FACMCはありがとうインターナショナル、ワールド・ビジョン・インターナショナル、クイーンマーガレット大学が先導し、その他の宗教を基盤とする団体などがサポートする。
教育
医療・保健・福祉

難民人材活躍プラットフォーム with 経済同友会

特定非営利活動法人WELgee
公益社団法人経済同友会

2025年までに約100の雇用機会、インターンシップ、スキル育成の機会を企業と共同で創出(co-create)することを宣言する。民間セクターとの積極的な連携や経済同友会とのイニシアチブを通じて、難民へのサポートや雇用の提供、資金拠出や、組織内外における啓発活動を通じた難民のエンパワーメントや難民への就労支援の活動等へ参加の呼びかけを行う。本宣言は、難民の社会経済的包摂を促進し、尊厳ある自立を促し、難民の労働統合を支援し、日本経済に貢献する社会の一員として法的安定を得るための補完的な道筋の導入の一歩となることを目指す。
就労
社会統合
意義ある難民の参加

仏教の智慧と慈悲を通じた難民との連帯――統合的かつ包括的な難民支援の拡充

宗教法人立正佼成会

仏教の慈悲の実践、諸宗教との協働、各界とのパートナーシップを通じ、難民への支援をさらに強化する。

– 「一食を捧げる運動」の献金を活用したシリア難民、ロヒンギャ難民、ガザ地区等への緊急支援
– 難民支援協会との合同事業を通じた日本の難民保護と受け入れの強化
– 日本の子どもたちと、パレスチナ難民、アフガニスタン、ウクライナ等の子どもたちとの連帯を促進する事業の実施
– 在日アフガニスタン難民の生活支援
– ウクライナ国内、近隣諸国、日本国内での避難民支援
-世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)とUNHCRが設立した「諸宗教指導者評議会」の活動推進
-紛争国の宗教指導者、政府関係者を招集し「『戦争を超え、和解へ』諸宗教平和円卓会議」の開催
緊急人道支援
海外からの受け入れ

第三国定住の確実な実施

日本政府

日本は、難民問題の恒久的解決策の一つとして、アジアで初めて第三国定住による難民の受け入れに合意した国である。2019年6月、日本政府は難民受入れに関する閣議了解を変更し、2020年以降、アジア地域から第三国定住の枠組みで受け入れる難民の数を年間約60人に拡大することを決定した。
日本政府は、難民の円滑な受け入れを確実に実施する。
保護制度
海外からの受け入れ

難民・避難民を対象とした日本の大学における高等教育機会の提供

日本政府

 

日本政府は2017年以降、日本の大学にて136人のシリア人の若者に高等教育の機会を提供してきた。このうち、JICAはUNHCRとの協力の下「シリア平和のための架け橋・人材育成プログラム(JISR)」を実施し、シリア危機により就学の機会を奪われた79人のシリア難民と73人の家族を支援してきた。今後も増加するニーズに対応するため、JICAは以下の取組を推進する。
(1) シリア難民への日本の大学における高等教育機会の提供の継続
(2) 卒業後の安定した生活のための支援の提供
(3) 人道危機が深刻化している国・地域からの難民・避難民を対象とした、日本の大学における高等教育機会の拡大
保護制度
教育
社会統合
開発

補完的保護対象者の認定制度の導入による適切な認定と支援

日本政府

2023年6月に成立した出入国管理及び難民認定法等改正法により、「難民」の要件のうち迫害を受けるおそれがある理由が5つの理由(人種、宗教、国籍、特定の社会的集団の構成員であること、政治的意見)であること以外の要件を満たす者を保護する「補完的保護対象者認定制度」を創設し、同年12月1日から施行された。補完的保護対象者は、原則として難民と同様の在留資格が与えられることが法律上も保障される。補完的保護対象者の認定を適切に行うとともに認定を受けた者のうち希望する者に対し、日本語教育や生活ガイダンスを受講できる「定住支援プログラム」を提供する。
保護制度
海外からの受け入れ

人道・開発・平和の連携(HDPネクサス・アプローチ)の推進

日本政府

難民や強制移住に対する持続可能な解決策を確保し、受入国・コミュニティへの影響を防止・緩和するため、コミュニティ・政府の両方のレベルのイニシアティブや政策を支援し、受入国・コミュニティの自立性を高め、レジリエンスを向上することを目指し、以下6点に取り組む。

(1) 人道・開発・平和の連携(HDPネクサス)の強化:難民と受入コミュニティへの相乗効果を最大化するための受入国政府の努力を支援することにより、 HDPネクサス・アプローチを促進

(2) 平和構築と紛争予防:若者を含む帰還民と地域コミュニティの平和的共存を促進するための包括的な開発とコミュニティ再建に協力することにより、難民出身国における平和構築の取組を強化

(3) 経済的包摂と社会的保護:生計向上、職業訓練、民間企業との連携を通じて難民と受入コミュニティの自立を促進

(4) 農業、食料システム、食料安全保障:米の生産に対する技術指導、栄養改善、地域密着型農村開発を通じた農業分野での支援を提供。 また、FAOを通じ、難民への農業支援を通じて食料安全保障を確保し、持続可能で強靭な食料システムを強化。その際、難民と受入コミュニティの平和的共存、帰還民の能力向上、災害リスク管理としての水へのアクセス改善に焦点を当てて策定・実施。

(5) 教育:難民・国内避難民を受け入れている学校の学習環境を改善し、彼らの包摂と学習を確保

(6) 気候変動対策と資金:環境と気候変動の課題への取り組みにおける受入国の取組を支援

社会統合
教育
平和構築
保護制度
就労
教育
開発

人道・開発・平和の連携を通じた難民と受入コミュニティへの質の高い精神保健・心理社会支援(MHPSS)の推進

日本政府

強制移住における精神保健に対応する緊急の必要性を踏まえ、MHPSSの重要性についてドナー・政策決定者等の認知の向上に取り組み、様々なアクターと協力して人道・開発・平和の連携(HDPネクサス)を推進し、難民・避難民のMHPSSに取り組む。この中でも特に日本政府とJICAは、日本の災害・緊急事態への備えと対応から学んだ教訓も踏まえ、難民受入国の能力開発を通じて、地域の実情を反映したMHPSSのアプローチと実践の促進に取り組む。
医療・保健・福祉
意義ある難民の参加
平和構築
開発

難民と受入コミュニティの人々へのスポーツ機会の提供を通じた社会的結束と平和的共存の促進

日本政府

難民と受入コミュニティの人々1万人に対するスポーツの機会を提供する。特に、南スーダンにおける全国スポーツ大会(国民結束の日)の実施支援を通じた平和構築の取組、ウガンダにおける難民女性のサッカー大会や技術指導を通じた取組や、ヨルダンにおけるUNRWAとの連携による青年海外協力隊派遣を通じた難民に対する体育科教育の取組等を推進する。本宣言は、スポーツ・マルチステークホルダー・プレッジの5つの公約分野のうち、「インクルーシブで、安全な、スポーツと遊びをベースとしたイニシアティブを推進し、提供する」と「安全なスポーツへのアクセスを実現する、政策を含む環境整備を促進する」に関連する。
文化
社会統合
教育
開発

難民・避難民支援への女性・平和・安全保障(WPS)の考え方の適用

日本政府

難民・避難民のうち、とりわけ脆弱な環境に置かれているのが女性であることを踏まえ、女性・平和・安全保障(WPS)の考え方を難民・避難民支援に適用する。具体的には、女性のニーズに配慮した支援物資の提供や避難場所の確保に加え、難民・避難民の保護支援や生計支援、復旧・復興計画策定への参画を含む、支援活動全般への女性の主体的な参画を促進し、人道支援、開発協力、平和の取組の全てのプロセスにおいて、ジェンダーの主流化と、女性の参画とリーダーシップを促進する。
医療・保健・福祉
住居
社会統合
意義ある難民の参加
緊急人道支援
平和構築
開発

バングラデシュのホストコミュニティの負担軽減及びロヒンギャ避難民の能力強化に向けた取組

日本政府

バングラデシュにおけるロヒンギャ避難民の長期化した状況が続く中、支援のニーズも変化し、ホストコミュニティの負担も大きくなっています。このような状況を注視しつつ、日本はバングラデシュ政府に寄り添い、ホストコミュニティの負担軽減に資する経済・社会開発支援や、ロヒンギャ避難民の帰還に向けた教育・技能訓練の提供などの取り組みを強力に支援していく。
 日本政府は、国連機関、JICA、日本の市民団体や民間企業を含む民間セクターと協力し、以下を行う:
(1)バングラデシュのロヒンギャ避難民とホストコミュニティの人々に教育、技能訓練を提供する。
(2)バングラデシュのホストコミュニティの負担を軽減するための経済・社会開発支援を行う。 避難民の持続可能で、安全、自発的、かつ尊厳が確保された形での帰還を実現するためには、ミャンマーの民主主義体制の早期回復を含め、ミャンマー情勢の改善が極めて重要である。日本政府としては、引き続きミャンマーに対し、状況改善のための具体的な行動を求めていく。
就労
教育
社会統合
意義ある難民の参加
緊急人道支援
平和構築
開発

アフガニスタン及び周辺国(イラン・パキスタン)における、アフガン難民支援プラットフォーム(SSAR)に沿った、難民・避難民等への日本の支援

日本政府

アフガニスタン及び周辺諸国においてアフガニスタン難民・国内避難民(IDP)の混乱と困難な状況が続く中、アフガニスタン国内の国内避難民、周辺諸国のアフガニスタン難民、流入するアフガニスタン難民の負担に苦しむホストコミュニティの支援ニーズは依然として高く、タリバーンによるカブール陥落以降、より複雑化している。日本政府は、国連機関、JICA、日本の市民団体や民間企業を含む民間セクターと協力し、以下を実施する:
(1) アフガニスタン及びその周辺国(イラン、パキスタン)において、アフガン難民解決戦略(SSAR)支援プラットフォームに基づき、難民・IDP及びホストコミュニティの人々の生活の質の改善及びホストコミュニティの負担軽減のために、教育、保健、技能訓練、生活改善、農業支援を行う。
(2) SSARに沿って、難民・IDPの出身地への帰還に適したアフガニスタン国内の状況改善のための帰還環境整備支援等を実施していく。
保護制度
教育
医療・保健・福祉
住居
社会統合
意義ある難民の参加
緊急人道支援
平和構築
開発

(順不同:2024年1月31日更新)

<注>本リストに掲載されている宣言は、各組織の表記に沿っています。