国際パラリンピック委員会発表
パリ2024パラリンピック競技大会の開幕まで50日。国際パラリンピック委員会(IPC)は本日、パラリンピック難民選手団として出場するアスリート8人、ガイドランナー1人を発表しました。
世界で故郷を追われた1億2,000万人以上の代表として、6カ国を拠点とする8人の難民アスリートが世界の舞台でたたかいます。出場は6つの競技、陸上、パワーリフティング、卓球、テコンドー、トライアスロン、車いすフェンシングです。
アンドリュー・パーソンズIPC会長
「すべてのパラリンピアンには、それぞれの人生を生き抜いてきたストーリーがありますが、紛争や迫害を逃れた難民アスリートたちがパラリンピック出場に至るまでに進んできた道のりは、このうえなく尊敬に値するものです。
残念ながら、世界では1億2,000万人を超える人が故郷を追われています。その多くの生活は非常に過酷です。難民アスリートたちは、パリでのパラリンピックを目指すために、確固たる意志を持ってトレーニングに励み、その姿は、世界のすべての難民の希望です。パラリンピック難民選手団は、スポーツがもたらす変革の光となると確信しています」
フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官
「3大会連続の出場となるパラリンピック難民選手団は、難民アスリートがチャンスを生かして何を達成できるかを、世界に示してくれるでしょう。難民はどこにいても、どんな状況でも、スポーツ、その他さまざまな分野において、技術や才能を生かし、伸ばし、発揮する機会さえあれば活躍できる存在です。
私たちUNHCRは、難民支援の現場でスポーツ分野の支援を進めるために、国際的なパートナーシップを築いてきた主要なパートナーであるIPCに大変感謝しています。スポーツは、こころとからだの健康、そして、難民と受け入れコミュニティの共生社会を築いていくためにも不可欠です」
<パリ2024パラリンピック競技大会 パラリンピック難民選手団>
・ザキア・フダダディ(パラテコンドー)
・ギヨームジュニオール・アタンガナ(パラ陸上)
・イブラヒム・アル・フセイン(パラトライアスロン)
・サルマン・アバリキ(パラ陸上)
・ハディ・ダルビッシュ(パラパワーリフティング)
・サイード・アミール・ホセイン・プール(パラ卓球)
・アメリオ・カストロ・グルエソ(車いすフェンシング)
・ハディ・ハッサンザダ(パラテコンドー)
パラリンピック難民選手団の団長は、ロンドン2012パラリンピック競技大会にジンバブエ代表として出場した2人のうちの1人、車いすテニスのニャシャ・ムハラクルワ選手が務めます。この5年、IPCのスタッフとして各国際競技連盟のスタッフと共に活動しており、パラリンピック難民選手団の団長に任命されたことを「誇りに思う」とコメントしています。
「パラリンピック難民選手団は、私たちすべてのモデルとなる存在です。どんなに困難な状況にあっても、難民アスリートたちは、パラスポーツの最高峰で競うための道を切りひらいてきました。8人の選手と1人のガイドをもって、史上最強、そして万全の準備を整えたパラリンピック難民選手団が誕生しました。彼らは世界で故郷を追われた人、そして12億人の障がいのある人の代表です」
パラリンピック難民選手団はIPC旗のもとに出場し、8月28日にパリのシャンゼリゼ通りとコンコルド広場で開かれる開会式で1番目に入場します。
パラリンピック難民選手団のメンバーは、競技能力を含むさまざまな基準に沿って、IPCが国際競技団体と検討のうえ選出されています。難民であるかどうかは、受け入れ国によって認定され、またUNHCRによっても確認が行われています。
パリ2024パラリンピック競技大会に出場するパラリンピック難民選手団は、ワールドワイドパートナーのAirbnbと、アシックス、UNHCR、フランススポーツ省、パリ2024オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会、CREPS of Reimsの支援を受けています。IPCはそのすべての支援に感謝の意を示しています。
パラリンピック難民選手団は、2016年のリオ大会では2人、2021年の東京大会では6人が出場しました。
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