UNHCR親善大使として活動するバーバラ・ヘンドリックスがコートジボワールにいる無国籍者を訪問した。コートジボワール政府は国内にいる無国籍者をなくすための取り組みを行っている。
コートジボワールはアフリカ大陸で無国籍者の数が最も多い国の一つである。ヘンドリックス大使はUNHCRによる無国籍者をなくすためのキャンペーン開始に先立ち、この地を訪れた。
「無国籍者はまるで幽霊みたいな存在です。法律によってその存在が認められていないため、私たちが当然だと思っていることが出来ないのです。学校に通ったり、各種試験や検査、銀行口座の開設、結婚、子どもの出生届提出などその全てにおいて困難に直面します。生きる上で重要な全ての扉が閉ざされた状態なんです。」とヘンドリックス大使は語った。
コートジボワール政府が把握しているデータによると国内には約70万人の無国籍者、または国籍不明の人がいるとみられている。その要因は様々である。
1960年の独立後、法の改正によって移民の子どもは市民権取得が不可能になった。さらに2002年の内戦と2010〜11年の大統領選挙後の混乱時、住民登録名簿や個人証明書が破棄されたり紛失した事によって、人々が市民としての身分を証明することが難しくなった。また親のいない子どもは国の法に当てはまらないため市民権が得られない。さらに国内には出生届が出されていない子どもが多く、国民であることが証明できないので、無国籍者になる恐れがある。
このような状況を受け、コートジボワール政府は無国籍者の問題改善に取り組んでいる。2013年10月、コートジボワールは無国籍者に関する2つの条約に加盟した。さらに定められた基準を満たす無国籍者が、簡単な申告を通じて市民権が取得ができる登録キャンペーンを政府主導で行なっている。また、2014年の秋にはコートジボワールで無国籍者に関する地域会議が行なわれる予定だ。
ヘンドリックス大使は「コートジボワールは無国籍者をなくすため前向きに取り組んでいる。 UNHCRは9月から無国籍者をなくすためのグローバルキャンペーンを開始します。10年間継続して行なわれるこのキャンペーンを通じ、世界中の約1000万人の無国籍者が国籍を持っている人々と同じ権利が与えられるよう訴えて行きます。」
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