このたび、UNHCR駐日事務所と劇作家・演出家の平田オリザさんが学長を務める芸術文化観光専門職大学が共同で実施している、演劇を通じて「他者理解」やコミュニケーション技術について学ぶ教材開発プロジェクトに、日本映画界の第一線で活躍する映画監督の深田晃司さんと、俳優の二階堂ふみさんの参画が決定しました。
教材の要となる映像作品において、平田オリザさんがご自身の代表作の一つである「転校生」をもとに脚本を書き下ろし、深田晃司さんが監督で映像化、二階堂ふみさんに主要な登場人物を演じていただく予定です。
◾️共同プロジェクトについて
紛争や迫害によって故郷を追われた人の数が、世界で1億2,000万人を超えたいま。異なる文化的背景や価値観を持つ「他者」が隣り合う社会で、私たちはどのように対話し、共に生きていけばいいのかーー。
世界約135カ国で活動し、複雑に拡大を続ける難民問題の最前線で人道支援を続けているUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)と、日本で初めて「芸術文化」と「観光」の両方を学ぶことのできる県立の専門職大学として2021年に開校した芸術文化観光専門職大学。本プロジェクトでは、両者が共同で、異なる文化的背景や価値観をもつ人々が対話し、共に社会を築いていくために必要な「他者理解」やコミュニケーション技術について学ぶ「演劇ワークショップ型教材」を開発しています。
教材は映像作品と、それに基づくディスカッションや演劇ワークショップを行う指導案、世界の難民について学ぶ基礎教材などで構成される予定です。
劇作家・演出家として国内外で数々の賞を受賞し、20年以上にわたって演劇的手法を用いたコミュニケーション教育を実践してきた平田オリザさんの指揮のもと、教育現場をはじめ、様々な場面で広くご活用いただけるような教材を目指して、制作を進めています。
◾️深田晃司|映画監督
1980年生まれ。99年映画美学校に入学。2016年、『淵に立つ』が第69回カンヌ映画祭「ある視点」部門審査委員賞を受賞。17年、第67回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。最新作『LOVE LIFE』(22)がヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に選出。22年黒澤明賞受賞。
◾️二階堂ふみ|俳優
1994年、沖縄県出身。映画『ガマの油』(2009年)でスクリーンデビュー。その後も日本を代表する演技派俳優として、映画『ヒミズ』(2012年)、『リバース・エッジ』(2018年)、『翔んで埼玉』(2019年)、『月』(2023年)、ドラマ「エール」(2020)、「EyeLoveYou」(2023)など多くの作品で存在感を見せつける傍ら、写真家としても活動。2024年2月27日より配信されているハリウッド制作ドラマ『SHOGUN 将軍』にメインキャストの一人として出演している。
▶プロジェクトの最新情報は、UNHCR駐日事務所公式ウェブサイトの特設ページでお知らせします。また、各取り組みごとに取材をご検討いただけます。ご関心のあるメディアの方は、問い合わせ先のUNHCR駐日事務所広報・伊吹([email protected])までご連絡ください
◾️UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)とは
国連の難民支援機関であるUNHCRは、難民、国内避難民、無国籍者などを国際的に保護・支援するため、世界約135カ国で活動しています。2023年12月にスイス・ジュネーブで開催された「第2回グローバル難民フォーラム」で共同議長国を務めた日本と連携しながら、多様なパートナーとともに、“社会全体で取り組む難民支援”の推進に取り組んでいます。1954 年、1981年にノーベル平和賞を受賞。本部はスイス・ジュネーブ。
◾️芸術文化観光専門職大学とは
2021年に兵庫県北部に誕生した日本で初めて「芸術文化」と「観光」の両方を学ぶことのできる県立の専門職大学。本格的な設備を有する劇場など充実した施設と豊富な観光資源を有する地域が、あらゆる創造と体験など実践的な学びを可能にしている。教員には世界を舞台に活躍するアーティストから、アート・観光ビジネスを牽引してきた第一線の実務家まで多彩な分野のプロフェッショナルが在籍。少人数制・担任制で、授業の約3分の1(800時間)を実習にあて、理論と実践を交互に繰り返すクォーター制の採用により、知識の確実な理解と実践力を身につけた人材の育成を図っている。芸術文化・観光学部、同学科の1学部1学科、定員80名。1~4年生の330名が在籍(2024年4月時点)。
◾️お問い合わせ先
UNHCR駐日事務所・広報 伊吹 [email protected]
芸術文化観光専門職大学・地域協働課 日下部 [email protected]