難民問題について考え、広く支援を呼びかける6月20日の「世界難民の日」を前に、故郷を追われたすべての子どもたちの幸せを願う「世界難民の日こいのぼり」の掲揚が、日本各地で始まりました。
6月10日には国連大学(東京都渋谷区)で3匹のこいのぼりが掲揚されるとともに、青山通り沿いの歩道に面した同大学の常設パネルが、期間限定で「世界難民の日こいのぼり」バージョンに変身しました。
◾️「世界難民の日こいのぼり」とは
難民の子どもたちの幸せを願う「世界難民の日こいのぼり」は、ミャンマー出身で自身も迫害によって故郷を追われた経験を持つファッションデザイナーの渋谷ザニーさんと、1947年創業の「株式会社徳永こいのぼり」の出会いをきっかけに誕生。
一つひとつ職人の手で仕上げられたこいのぼりは、“UNHCRブルー”に染められ、日本の伝統的な和柄や「人を守る、人の手」の意味を持つUNHCRのロゴから着想を得たモチーフがあしらわれています。
紛争や迫害などで故郷を追われた人の数は世界で1億1,000万人を超え、その約4割は18歳未満の子どもたちです。困難な現実に直面しながらも、懸命に生きる子どもたちを支援するため、6月20日の「世界難民の日」などに合わせて、日本や世界の各地で掲揚されています。
◎プロジェクトの詳細はこちら
◾️2024年の掲揚予定(※順不同、変更の可能性あり)
掲揚地 | 期間 | これまでの実績 |
国連大学(東京都渋谷区) | 6月10日〜6月23日 | 2022年〜 |
岡山市役所(岡山県岡山市) | 4月15日〜6月20日 | 2022年〜 |
岡山ルネスホール(岡山県岡山市) | 4月25日〜6月10日 | 2022年〜 |
文京シビックセンター入口前:礫川公園側(東京都文京区) | 6月20日~ 7月1日 | 2023年〜 |
長崎市役所(長崎県長崎市) | 6月18日〜6月21日(予定) | 今年初 |
熊本城など(予定)(熊本県熊本市) | 6月中(予定) | 今年初 |
和敬保育園(東京都板橋区) | 4月30日〜6月20日 | 今年初 |
《主な見どころ》
2022年から掲揚を実施している国連大学では、今年初の取り組みとして、同大学前の青山通り沿いの歩道に面した常設パネルが、期間限定で「世界難民の日こいのぼり」バージョンに変身しました。
▶「世界難民の日こいのぼり」の制作を担う「徳永こいのぼり」の本社が位置する岡山県では、岡山市内の2カ所で掲揚を実施。4月15日には岡山市役所でこいのぼりの除幕式を行いました。
▶メディア掲載:岡山市役所に青いこいのぼり 難民の子どもの幸せ願いデザイン(NHK、4月15日)
▶新たに「世界難民の日こいのぼり」プロジェクトの活動にご賛同いただいた熊本市と、今年3月にUNHCRのグローバルキャンペーン「難民を支える自治体ネットワーク」に加入した長崎市でも初めて掲揚を行う予定です。
▶8歳で来日した渋谷氏を支えた板橋区の和敬保育園でも初めて掲揚を行いました。
▶メディア掲載:こいのぼりはみんな青かった 過ごした保育園、彼が掲げたもの(朝日新聞、5月4日)
◾️渋谷ザニー氏のメッセージ
このこいのぼりには、かつての僕と同じような境遇の子どもたちの健康と安全を祈るとともに、子どもたちが自由に、それぞれが望む世界で、夢を掴むことができるようにという強い願いが込められています。
青い空を高らかに泳ぎ、故郷を目指すこいのぼりの親子。その姿には、急流にも強風にも負けず、前進し続ける「希望」の兆しを見ることができます。
(1993年に)8歳で難民として日本へやってきた僕も、いまでは家庭を持ち、子どもを育てる年齢となりました。 だからこそ、いま抱くのは、次の世代には「難民のいない世界」を見せてあげたいという強い思いです。ぜひ「難民のいない世界」を、一緒に想像してみましょう。
◾️「世界難民の日」関連プレスリリースはこちら
・6月20日「世界難民の日」まであと1カ月!#難民とともに~社会全体で取り組む難民支援〜
・「世界難民の日」難民のものがたり展
・写真家・ホンマタカシが「瀬戸内国際芸術祭2025」でUNHCRとコラボ 「世界難民の日」特設サイトのメインビジュアルに起用
◾️UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)とは
国連の難民支援機関であるUNHCRは、難民、国内避難民、無国籍者などを国際的に保護・支援するため、世界約135カ国で活動しています。2023年12月にスイス・ジュネーブで開催された「第2回グローバル難民フォーラム」で共同議長国を務めた日本とも連携しながら、多様なパートナーとともに、“社会全体で取り組む難民支援”の推進に取り組んでいます。1954 年、1981年にノーベル平和賞を受賞。本部はスイス・ジュネーブ。
◾️お問い合わせ
UNHCR駐日事務所 広報・伊吹 [email protected]