日本政府は、ベネズエラからの難民・移民対する保護と人道支援、社会経済的統合の強化に向けて、4億8,600万円(約360万米ドル)の無償資金協力を決定しました。
数年にわたって続くベネズエラ危機の影響を受けて、ベネズエラからの難民・移民の避難生活は長期化しており、主な避難先となっている周辺国での支援のニーズは高まっています。
今回の日本の協力を通じて、ベネズエラから多くの難民・移民が逃れている周辺国のブラジルとペルーへの支援を実施します。
ブラジルには約41万人以上のベネズエラ人が逃れてきており、重い病気を抱えた脆弱性の高い人々を含め、ブラジルへの入国は現在も続いています。ブラジルの難民保護の環境は比較的良好ですが、難民・移民、庇護希望者に対する権利やサービスの適切な確保、生計・自立の機会の確保などの課題が依然として残っています。UNHCRは現地当局と連携し、受け入れ体制の拡充、基本的ニーズへの対応、保護、社会経済的な統合の促進、などに取り組んでいます
ペルーは、コロンビアに次いで多い約150万人をベネズエラから受け入れています。ペルーに住む18歳以上のベネズエラ人の46パーセント以上が、一定程度の高等教育を受けていることから、多くの人が長期的に社会に統合し、ペルーの経済に貢献できる可能性があります。UNHCRは、公正かつ効率的な庇護申請手続き、経済的自立を促すための適切な仕事の促進などを行っています。
今回の無償資金協力を通じて行われる主な支援は以下のとおりです。
ブラジル
・法的支援、保護の強化
・安全で適切な一時避難施設の確保
・社会経済的包摂の促進
ペルー
・公正かつ効率的な庇護申請手続きへのアクセス
・安全かつ適切な一時的避難施設、生活必需品の提供
・医療サービス、精神保健・心理社会的支援の提供
・教育のアクセスに関する情報提供
・収入創出の機会へのアクセス
これらの活動を通じて、ベネズエラ危機の影響を受けてブラジルとペルーに避難した約4万7千人に支援を届けることができます。UNHCRは引き続き、パートナー団体と連携しながら、ベネズエラ危機により故郷を追われた人々の命と生活を守る支援に取り組んでいきます。
▶UNHCR南北アメリカ・カリブ局のプレスリリース(英語)はこちら
日本は2023年12月に開催予定の「グローバル難民フォーラム」の共同議長国となることが決定しており、日本政府をはじめ、日本のさまざまなアクターによって実施されている難民支援の取り組みの共有、さらなる貢献への期待が高まっています。