あなたにとって “服”とは―?
毎日の生活にあって当たり前のもの?おしゃれを楽しむためのもの?
服は、身体のみならず、一人ひとりの尊厳を守るために大切なアイテムです。
そんな“服のチカラ”を生かして、15年以上にわたり、難民支援に貢献しているのが株式会社ファーストリテイリングです。
その取り組みの一つ、全商品をリサイクル、リユースする取り組み「RE.UNIQLO」(ユニクロ)、「全商品リサイクル活動」(ジーユー)では、全国のユニクロ・ジーユーの店舗にリサイクルボックスを設置し、世界中で服を必要としている人々への服を集め寄贈を行っています。集まった服のほとんどは、UNHCRとの連携のもと、着の身着のまま家を追われた世界中の難民や国内避難民に届けられています。
この活動から生まれたのが「 “届けよう、服のチカラ”プロジェクト」です。日本全国の小中高で難民問題や“服のチカラ”について学び、地域とも連携しながら、子ども服の回収を行っています。このプロジェクトの強みは、子どもたちの創意工夫あふれるアイデアと困っている人の役に立ちたいという想い。その年の特に創造的な取り組みは「 “届けよう、服のチカラ”アワード」として表彰され、2021年度の表彰式が2月中旬にオンラインで行われました。
今回、最優秀賞を受賞したのは賢明女子学院中学校・高等学校(兵庫県)。当初は教員の呼び掛けで始まった活動でしたが、参加2年目となる今回はすべて生徒たちが主体となって考え、進めたといいます。
まずは6月20日の「世界難民の日」に合わせて、姫路市内のユニクロ店舗スタッフによる出張授業が行われ、店舗での職場体験を通じて難民問題や服のチカラについて学習。「難民の状況を知って、日本からも身近な服を通じて役に立つことができる、助けになりたいと思いました」と生徒たちは振り返ります。
コロナ禍の制約の中でも、手作りの動画やポスター、校内放送など工夫して校内で呼び掛けを行い、地域の人に対しても、手紙や電話を通じて自分たちの想いを伝えました。校内外に設置した服の回収箱には、近隣のユニクロの店舗と連携して業務用段ボールを再利用するなど環境にも配慮しました。「中高生でも小さなことの積み重ねで難民のためにできることがある。受け身ではなく、積極的に行動することの大切さを感じました」。昨年の約3倍、総計5,870枚の子ども服が集まりました。
UNHCR特別賞が贈られたのは横浜女学院中学校·高等学校。このプロジェクトの常連校で、日ごろから「総合的な学習の時間」などを通じて、難民問題やUNHCRの活動、持続可能な開発目標(SDGs)についての学びを続けてきました。「プロジェクトへの参加を重ねるごとに、校内での服の回収だけでなく、“広く地域の人にSDGsを広めていきたい”という思いが強くなってきました」。今回は“つなぐ”をテーマに、これまでの学びや経験、地域とのネットワークを生かして、商店街などで服の回収を積極的に広報し、SDGsについてのアンケートを行うなど、学校を挙げて取り組みました。
2013年にスタートした“届けよう、服のチカラ”プロジェクトは9年目を迎え、2021年度は全国から625校7万3,000人の子どもたちが参加し、80万着以上が集まりました。2021年12月には、「令和3年度 経済産業省主催 キャリア教育アワード 経済産業大臣賞(大賞)」を初めて受賞しました。
「服は、暑さや寒さを防ぐだけでなく、社会参加のためにとても大切なものです」と新田幸弘ファーストリテイリンググループ執行役員。「全国から集まった服は、皆さんの想いをともに、難民をはじめ、服を必要としている人に確実に届けたいと思います」と約束しました。
現在、2022年度「 “届けよう、服のチカラ”プロジェクト」の参加校を募集中です。締切は4月19日(火)。たくさんのご参加、お待ちしています!