UNHCRは東京2020パラリンピック競技大会の開会式を前に、パラリンピック難民選手団に激励のメッセージをおくります。
パラリンピック難民選手団は、世界で8,200万を超える故郷を追われた人、うち障がいのある約1,200万人の希望の象徴です。
8月24日の開会式では、パラ陸上のアリア・イッサ選手、パラ水泳のアバス・カリミ選手(UNHCR特別サポーター)が旗手を務め、全選手団の先頭で国立競技場に入場します。パラリンピック難民選手団は、大会を通して、国際パラリンピック委員会(IPC)の旗を掲げて世界の舞台で競います。
2016年リオ大会では難民パラアスリート2人が独立パラリンピック選手団として参加しましたが、公式に難民選手団としてパラリンピックに出場するのは今回が初めてです。代表は4つの受け入れ国から6人、4競技(陸上、水泳、テコンドー、カヌー)に出場します。
パラリンピック難民選手団は、障がいのあるなしに関わらず、故郷を追われたすべての人に対するスティグマ、ネガティブな印象を変えるきっかけとなる存在です。
「開会式に始まり、大会を通じて難民パラリンピック選手団を応援できるのは、このうえない喜びです」とフィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官。「世界中の故郷を追われた障がいのある1,200万人の代表として、パラリンピックという世界の舞台に難民アスリートが立つことは歴史的な瞬間です」。
「障がいのある難民たちは、差別、暴力、搾取のより高いリスクにさらされる可能性があります。しかし彼らは、想像を絶する困難にも関わらず、パラスポーツを含めて、さまざまな分野でコミュニティに良い変化を生み出し、リーダーになりうる存在。一人ひとりが成長につながる機会に平等なアクセスがあるべきです。その忍耐と才能をもって、世界に刺激を与えるパラリンピック難民選手団を、私は誇りをもって応援します」
UNHCRは、故郷を追われた障がいのある人が主要なサービスや機会にアクセスできるよう支援を続けており、2016年からはIPCと連携し、難民の人生を変えるきっかけにもなりうるパラスポーツへのアクセス、よりインクルーシブで平等な世界の実現に向けて活動しています。
スポーツは、障がい者ができること、できないことに対するスティグマ、差別、思い込みを変えるきっかけになり、インクルーシブな社会の実現にもつながります。また、一人ひとりの自信にもつながり、心と体の健康の維持にも役立っています。
「以前もお伝えしましたが、繰り返し言います。パラリンピック難民選手団は、世界で最も勇敢な選手団です」とアンドリュー・パーソンズIPC会長は強調します。
「難民パラアスリートたちは、今回代表を勝ち取るまでに壮絶な旅路を経験してきました。その姿を見れば、スポーツを通じてどのような変化を起こすことができるか、誰もが十分に理解できるでしょう。『WeThe15』キャンペーンの立ち上げに伴い、私はここで、障がい者の可視化、一人ひとりの声を尊重することの重要性を強調します。世界で1,200万人の故郷を追われた障がい者を代表するパラリンピック難民選手団も、この東京大会で誇りを持って声を上げてくれることでしょう」
また、UNHCR駐日代表のカレン・ファルカスは、「今回出場するのは、強制移動、新型コロナウイルスのパンデミックに伴う困難にも関わらず、パラリンピック出場という夢に向かってトレーニングに励んできてきた素晴らしい選手たちです。東京でパラリンピック難民選手団を迎えられることを心から誇りに思いますし、日本の皆さんにもこのチームをぜひ応援してほしいです。6人の代表が世界の舞台に立つその瞬間を楽しみにしています」と期待を込めます。
UNHCRはIPC、その他パートナー団体とともに、障がいのあるなしに関わらず、すべての故郷を追われた人がスポーツに平等にアクセスし参加できるよう、国際社会に対して呼び掛けを続けています。
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