2019年12月17日、18日、スイス・ジュネーブで開催される「第1回グローバル難民フォーラム」(Global Refugee Forum:GRF)。2018年12月末に国連総会で採択された「難民に関するグローバル・コンパクト」(Global Compact on Refugees:GCR)の理念に基づき、世界各国がどのように取り組みを進めているのか、現状や課題などについて2日間にわたって議論が行われます。
GCRの採択から1年、日本でも社会全体で難民問題に取り組む機運が高まっています。その一環として、GRFを約1カ月後に控えた11月15日、難民支援に携わるステークホルダーが都内に一堂に会し、難民を誰一人取り残さない社会をどう実現していけばよいのか、意見交換を行いました。
この日会場に集まったのは、政府、企業、大学、NGO、メディア、国際機関など、難民問題の解決に向けてアクションを起こしている約80人。UNHCR国会議員連盟会長の逢沢一郎議員は冒頭のあいさつで、「従来の枠組みを超えて、日本のさまざまななアクターがGCRを前に進めていくこと」の重要性を強調し、UNHCR駐日代表ダーク・ヘベカーも、「この場にいる一人ひとりが、これまで難民支援に多大な貢献を果たしてくださっている。皆さんがいるからこそ、今日このような場も持つことができた」と話しました。
まず最初に、自己紹介を兼ねて参加者一人ひとりが自身の取り組みを共有。難民問題の解決に向けて、物資支援、医療、就労、教育などの提供、法的サポート、心理カウンセリングなど、その内容は多岐にわたっています。
質疑応答のセッションでは、「20代の庇護申請者に対して日本の若者にできることは」「日本政府はGCRでどのようにイニシアティブをとっていくのか」「持続可能でポジティブな変化をもたらす支援とは」「日本のアクターの連携を効果的に進めるには」「難民を巻き込んだ支援の在り方とは」などさまざまな質問が投げかけられ、参加者それぞれの立場、分野からの意見が活発に飛び交いました。
また、日本で暮らす難民3人が当事者として参加し、それぞれが直面してきた課題、日本の受け入れの改善点などについて意見を共有しました。
最後に、今回のミーティング1回きりで終わらせるのではなく、今後も定期的に国内外で難民支援に携わるステークホルダーが集まり、情報共有や議論の機会を持つことが大切だという認識を共有しました。
今回議論された内容は、GCRやGRFのフォローアップの過程で活用されていきます。
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