UNHCR駐日事務所は2025年に開催される「瀬戸内国際芸術祭2025」において、現代写真表現の第一線で活躍し、日本を代表する写真家であるホンマタカシさんとコラボし、難民一人ひとりの物語や旅路に焦点を当てた写真展を、芸術祭実行委員会と共催で開催することを決定しました。
芸術祭に先駆け、UNHCR駐日事務所のウェブサイトに開設した2024年「世界難民の日」(6月20日)の特設ページでは、ホンマさんが日本国内で暮らす難民の背景を持つふたりの姿を捉えた作品をメインビジュアルに起用。写真が描き出した物語をウェブストーリーでご紹介しています。
▶2024年「世界難民の日」特設ページ
▶ホンマタカシさん「世界難民の日」特別企画ウェブストーリーはこちら
◾️ “1億1千万分の1” の物語や旅路に焦点を当てる
いま世界では、紛争や迫害によって故郷を追われた人が1億1千万人を超え、難民問題は複雑に拡大を続けています。その渦中にいる難民の多くは、ある日突然、それまで築いた暮らしのすべてを失い、家族や愛する人々と引き離されながらも、それぞれの思い描く未来に向けて、前進し続けています。
そこには、1億1千万通りの知られざる旅路があります。
今回の写真展では、ホンマタカシさんにUNHCRが支援活動を行う国内外の現場などを訪ねていただき、そうした難民などの姿を捉えるとともに、彼ら彼女たちが避難生活を続けるなかでも手放すことのなかった「大切なもの」を記録した写真を通じて、統計などからは見えてこない一人ひとりの物語に光を当てます。
◾️「世界難民の日」メインビジュアルについて
6月20日の「世界難民の日」に際して、UNHCR駐日事務所の公式ウェブサイトに開設された特設ページでは、ホンマタカシさんが日本国内で暮らす難民の背景をもつふたりの自宅で撮影した写真をメインビジュアルとして起用しました。
撮影にご協力いただいたのは、難民の背景を持つ若者と日本の若者でつくるユース団体「EmPATHy」の初代共同代表として活動するアナス・ヒジャゼィさんと、スザン・フセイニさんです。
シリアで2011年から現在まで続く紛争によって人生が一変した二人は、さまざまな分かれ道をたどって、いまは日本で暮らしています。
故郷や家族との繋がりを示す大切な品々や、日本での日常生活を記録した写真には、ふたりが経験した喪失、ありふれた毎日のかけがえのなさ、そして故郷を離れて見つけた“新たなふるさと”に宿る希望が写し出されています。
◾️6/15 トークイベント「ホンマタカシさんの写真でたどる“1億1千万分の1”の物語」も開催!
6月15日(土)13:00〜14:00には、二子玉川 蔦屋家電(Google Map)のイベントスペースで、ホンマさんとアナスさん、スザンさんとともに、本企画で撮影した写真を鑑賞しながら、故郷を追われた人々がたどる”旅路”について考えるパネルトークを開催します。◎イベント詳細はこちら
※本イベントは会場での取材を受け付けています。ご関心のあるメディアの方は 6 月 7 日(金)正午までに、UNHCR 駐日事務所・広報担当の伊吹([email protected])までご連絡ください。
◾️ホンマタカシ(写真家)
1999年、写真集「東京郊外」(光琳社)で第24回木村伊兵衛賞を受賞。著書に「たのしい写真 よい子のための写真教室」(平凡社)など。
近年の作品集に「TOKYO OLYMPIA」(NIEVES出版)、「Thirty-six View of Mount Fuji」(MACK出版)など。2023年から2024年にかけて東京都写真美術館にて個展「即興」を開催。
◾️関連プレスリリース
「世界難民の日」難民のものがたり展
UNHCR、「瀬戸内国際芸術祭2025」で芸術祭実行委と共催企画 国連機関として初の取り組み
◾️UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)とは
国連の難民支援機関であるUNHCRは、難民、国内避難民、無国籍者などを国際的に保護・支援するため、世界約135カ国で活動しています。2023年12月にスイス・ジュネーブで開催された「第2回グローバル難民フォーラム」で共同議長国を務めた日本とも連携しながら、多様なパートナーとともに、“社会全体で取り組む難民支援”の推進に取り組んでいます。1954 年、1981年にノーベル平和賞を受賞。本部はスイス・ジュネーブ。
◾️瀬戸内国際芸術祭とは
瀬戸内国際芸術祭は、瀬戸内の島々を舞台に、3年に1度開催される現代アートの祭典です。2010年に第一回が開催され、約100日間の会期は春夏秋の3シーズンにわかれていて、季節ごとに瀬戸内の魅力が体感できます。期間中には約100万人の人々が国内外から訪れる、日本を代表する国際的な芸術祭となっています。
「海の復権」をテーマに掲げ、来訪者はアートを道しるべに島々を巡りながら、アーティスト、地域住民やボランティアサポーターと交流し、瀬戸内の持つ美しい景観や自然、島の文化や生活に出会うというスタイルが国内外の多くの方々の共感を呼んでいます。また、世界の著名誌に取り上げられるなど、瀬戸内国際芸術祭は世界のツーリズムからも注目を集めています。
◾️お問い合わせ
UNHCR駐日事務所 広報・伊吹 [email protected]