「今日は、ここにいるみんながアーティストです。みんなで楽しんで絵を描きましょう!」
8月中旬、ユニクロPARK 横浜ベイサイド店で行われた3日間のアートワークショップ。講師を務めたのは、世界各地でアートを通じた社会貢献活動を行う団体「アートリューション(Artolution)」のマックス・フリーダーさんとエマ・アルトマンさん。少し緊張した様子の子どもたちに声をかけながら会場を盛り上げます。
このワークショップは、UNHCRが主催する「ユース難民アートコンテスト」の特別企画。今年で3回目を迎えるこのコンテストでは、UNHCRのグローバルパートナーのファーストリテイリングとのコラボにより、優秀作品がユニクロのTシャツのデザインに採用されることが決まっています。
「たくさんの子どもたちに、アートを通じて、難民支援の輪に加わってほしい」― ユニクロとジーユー、UNHCR、そして「難民を支える自治体ネットワーク」の横浜市の想いが重なり、「ユース難民アートコンテスト」をさらに広げるために、夏休みのワークショップが実現しました。
この日、子どもたちが描く絵のテーマは「#難民とともに 描く希望」。今年のコンテストのテーマでもあります。
「ユースなんみんプラットフォーム」のメンバーの大学生たちも参加し、子どもたちに分かりやすく、故郷を追われた人々が直面する現実などについて説明します。
「アートは世界共通、物語を伝える力がある。アートを通じて、みんなで変化を起こしましょう!」
マックスさんの号令とともに、色鉛筆を持ち、思い思いに画用紙に絵を描き始める子どもたち。家族や友達、好きな動物、花、食べ物・・・。どれも、一人ひとりが自分らしく生きるために大切なものばかりです。
特別なル―ルなし、何枚、何を描いてもOK。子どもたちが描き終わった絵は、自分たちの手で、一枚の大きなキャンバスに貼っていきます。お父さんやお母さんと相談しながら、子どもたちから次々と新たなアートが生まれ、真っ白だったキャンバスは個性あふれる絵でいっぱいになりました。
▶アートワークショップの動画はこちら
今回のワークショップには、ウクライナから避難してきた親子の参加もありました。「娘たちが絵を描くのが好きなので参加させてもらいました」とお母さん。故郷を離れ、慣れない土地で暮らす少女が描いたのは、ウクライナ国旗の色をしたハート。
ただ平和が戻ってほしい、そして故郷に戻りたい—。その想いはみんな一緒です。
今回、このワークショップを企画したファーストリテイリングの担当者は、「アートコンテストを通じて世界中の子どもや若者たちの難民支援の想いがつながり、難民の方々が次の一歩を踏み出すための後押しになってほしい」と想いを込めます。
そして、子どもたちの絵で埋まったキャンバスに、マックスさんとエマさんがアートの命を吹き込み、平和を象徴する鶴、孔雀、鳩の3羽の鳥が完成しました。
その作品は、8月末に横浜市役所に展示され、多くの人が「#難民とともに 描く希望」について考えるきっかけとなりました。
横浜市の担当者は「このアートの鑑賞をきっかけに少しでも「難民」に関心を持ってほしいと思います。また、アートコンテストへのデザイン応募や、商品化されたTシャツの購入など、具体的なアクションにつながるとさらにうれしいです」と話します。
「ユース難民アートコンテスト」は、まだまだ作品を受け付け中。対象年齢は10~30歳、応募締め切りは9月30日(土)です
受賞作品は今年12月にジュネーブで開催される「グローバル難民フォーラム」で発表予定。優秀作品はユニクロのTシャツのデザインとして世界中で販売され、その利益のすべてはUNHCRの難民支援活動に役立てられます。
ユースのチカラで、#難民とともに 描く希望 をつないでいきませんか。
たくさんのご応募、お待ちしています!