UNHCRは、レバノンの国内避難民への緊急支援活動に対し、日本政府より50万米ドルの無償資金協力を受けることになった。レバノンのイスラム系シーア派民兵組織ヒズボラによるイスラエル兵拉致が発端となり、先月12日にイスラエルがレバノンを攻撃してから、これまでに約93万人(8日現在、レバノン政府推計)がレバノン国内で避難民となっていると推計される。避難民は増加しており、支援が急がれている。
UNHCRは、500トン以上の救援物資をシリアのレバノン国境近くに備蓄していたが、レバノンの首都、ベイルートまでの安全な陸路が確保できず、7月29日になってようやく最初の支援物資140トンが6台のトラックで到着した。そして、郊外の山岳地帯の避難民に、毛布、マットレス、調理用品などが届けられた。その後、3回にわたって合計611.6トンの物資がベイルートに運び込まれている。
レバノンには、イラクやスーダン、ソマリア難民が1000人以上おり、さらにUNHCRの支援対象者となっている庇護希望者などのイラク人が2万人ほどいる。UNHCRではこれらの人々の安否の確認も進めている。
一方、シリア政府の推計によると8日現在、同国には約18万人のレバノン人が紛争を逃れて避難している。その多くが、地元民の家に受け入れられているものの、生活状況は厳しく、UNHCRは、シリアの赤心月社や地元の支援組織などを通して、受け入れ家庭とレバノンからの避難民に対して、マットレス、シーツ、衣服、下着、そしてニーズの高い幼児用のオムツや、衛生用品などを配布している。
今回のレバノン危機において、UNHCRが今後3か月間で必要としている活動費は1890万米ドルで、レバノンと近隣諸国にいる避難民のうち、特に支援の必要性が高い万人に対する活動に充てられる。
日本政府からの資金援助により、UNHCRは、テント、マットレス、毛布などの救援物資をより多くのレバノンの国内避難民に配布することができる。UNHCRは時宜を得た日本政府からの支援に対し、感謝の意を表する。
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