ラマダンの終わりを控えたある日、ヨルダンのコミュニティセンターに、地元の女性と難民たちが集まっていました。
難民の女性たちの出身国は、シリア、イラク、イエメン、スーダン、ソマリアとさまざま。みんなで「マームール」と呼ばれるお菓子づくりをしています。ラマダンの終了を祝うイードの時に食べられるアラブの伝統菓子のひとつです。
ヨルダンでは、7年にわたり紛争が続いてるシリアをはじめ、イラク、イエメン、スーダンなどから75万人近くの難民を受け入れています。新しく開設されたこのコミュニティセンターは、難民と地元コミュニティのきずなを育むことを目的とし、UNHCRとパートナー団体によって運営されています。
「シリアやイラクなど違った場所から来ていても、私たちはみんなアラブ人。それだけで一体感を感じます」と、イラク難民のカウサルは話します。
数時間後、金色に焼きあがったマームールがオーブンから出てきました。砂糖をまぶしたらできあがり。リボンつきのバスケットに入れて、地域の住民や貧しい難民や届けられていきました。
マームールを受け取った6人の子どもを持つシリア難民のガニア(47)は、ハウスクリーナーとして働きながら、3人の娘を育てています。「家賃や光熱費、水道代を払うために、複数の家でハウスクリーナーをし、家計を支えています。ラマダンの時期は仕事が減り、財政的にも厳しい状況でした」
そんな困難な状態の中で、マームールはシリアでの楽しい時を思い出せてくれると言います。「シリアではいつも娘と義理の姉たち一緒に、マームールを作っていました。だからこのお菓子を見ると、幸せな気持ちになるのです」。
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