「英語を教えることが生き甲斐です」
そう語るのは、ドイツの小学校で補助教員として授業の補助を担当しているシリア難民のアラー・カサーブ(25)。アラーは、ドイツのポツダム大学で試験的に実施された難民教員プログラムに参加した難民の一人です。
難民教員プログラムは、教師の経験を持つ難民がドイツの教育制度を学び、18ヶ月後には再び教職に就くことができるというもの。以前教師として働いていた難民が2年以内でドイツ語のスキルを上げ、ドイツ人の教育実習生と合流し一緒に研修を受けることができます。
アラーは、地元アレッポの小学校で教師をしていましたが、情勢が悪化し、国外に避難しました。避難する途中、乗っていた船のエンジンが停止した時に英語が話せたことで、ボランティアに電話をかけ、安全な場所まで案内してもらうことができました。
「私がそうであったように、英語が生徒たちの人生に影響を与えることを確信しています。また、私自身もこのプログラムを通してドイツで新しい生活を始めるチャンスを得て、新たな将来の展望を見いだすことができました」とアラーは喜びを噛み締めています。
仕事を持つことは、難民にとって受け入れ社会に統合するためのカギとなる上、地域社会との関係を深めることにもつながります。このプログラムはすでに新たな研修生の受け入れを終えましたが、ポツダム大学の成果が他の大学で活かされ、再び学校で教師として働く難民が増えることが期待されています。
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