スイス、ジュネーブ、2月21日発
ケニア北東部に位置する世界最大のダダーブ難民キャンプは今年20年目を迎える。1991年に起こったソマリア内戦とその影響による混乱を受け、UNHCRは1991年10月から1992年7月にかけてダダーブに最初のキャンプを設立した。UNHCRの広報官は「ダダーブ難民キャンプの当初の目的は9万人を収容するものであったが、現在は46万3000人の難民を抱えており、そのうち1万人はキャンプで生まれた難民の子供である」としている。
2011年に起こったソマリア飢饉では、1日1000人を越える難民が到着した。6月は3万人、7月と8月は約4万人が難民キャンプに逃れてきた。UNHCRは現地政府とパートナー団体とともに、新たな難民の受け入れ体制を整えた。広報官は「ケニアの人々と政府の協力なしでは、ダダーブ難民キャンプはこれ程までに長い間存続することはできなかった。20年目という節目にあたって、約百万人ものソマリア難民と、ケニアを始め、受け入れ各国に対する支援継続をUNHCRは国際社会に再度訴えていきたい」語った。
現在ダダーブ難民キャンプの現状は多くの困難に直面している。2011年秋に起きた支援団体職員の誘拐事件発生などから、UNHCRと支援団体は支援方法の再考を迫られている。昨年10月から現在において、難民キャンプ周辺での警備が厳しくなる一方で、UNHCRは難民への水や食料の供給、健康管理支援などを優先事項として継続中しており、難民の教師による学校も開設・運営されている。昨年末からは人道支援団体も、活動再開に向けたアプローチを模索している。
UNHCRは2月初旬には、不安定な状況のダガハレー難民キャンプの一部から第2イフォ難民キャンプへの難民の移動を再開し、テントや生活必需品の配給を実施。約2000人の難民が現在までに移動しており、数週間の内に3500人が移動する予定である。難民の移動後には、8万人収容可能である第2イフォキャンプは満員になる。96万8000人のソマリ難民が主に隣国のケニア(52万人)、イエメン(20万3000人)とエチオピア(18万6000人)に避難している。そのうち3分の1が2011年にソマリアから脱出しており、その他130万人がソマリア国内に国内避難民として生活している。
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