UNHCR プティ・ゴアーブ、ハイチ(2月1日)発:
2月1日、ハイチにおけるキャンプで避難生活を送るジャクリーン(Jacqueline)と近隣に住む人たちが生まれ変わる日となった。
ジャクリーンはUNHCRが実施する、ハイチ大地震被災者向けの身分証明書プログラムの利用者の一人である。ジャクリーンは身分および国籍を証明することができなかったため、2010年1月12日に起きた地震後に開始された支援サービスの多くを利用するのに苦労していた。
「たった40秒で、すべてを失った。旦那、子ども2人、家、持ち物、収入。その後、このキャンプに暮らしているが、身分証明書などの資料がないため、支援を受けることや必要なサービスを利用することもできず、生き残った子どもを学校に入れることもできなかった。」とジャクリーンは語った。
2010年1月に起こった壊滅的な地震から一年、80万人が1000以上のキャンプや仮設住宅に住んでいると推定される。日常生活すら困難な状況の中、多くの被災者にとっては出生証明書や身分証明書などの書類を確保することは後回しとなっている。
ハイチ駐在のUNHCR法務官はこの身分証明書プログラムの短期的及び長期的な利点を以下のように強調した。
「緊急事態後、行き届いた支援を可能にするためにも、身分証明書などの書類は被災者にとって重要なものである。短期的に考慮すると、身分証明書を持つことで支援を受けやすくなり、長期的には、無国籍者にならないための保障となる。このプログラムを通じて、出生証明書などの書類を持つことにより、市民としての権利を取り戻すことができる。」と法務官は述べた。
本身分証明書プログラムは数万人の命を奪った地震の生存者たちを支援する43の即効性のある復興計画の内の一つである。この他、UNHCRは雇用支援やキャンプに暮らす女性たちを性的暴力から守るためのプログラムなども実施している。
今までに約1,500人がこの身分証明書プログラムを利用しているが、UNHCRは2011年を本活動の更なる拡大の年と位置づけている。
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