スイス・ジュネーブ (7月19日)発、
UNHCRは支援の向上を図るため、ソマリア周辺国への人口の移動を追いながら、ソマリア南部と西部へ届ける救援物資を増やしている。UNHCRは現地スタッフと連携し、ソマリア西南部に位置するモガディシュ、ベレハワとダブリーにいる9万人に、支援物資のパッケージを配給した。これらパッケージにはビニールシート、毛布、料理器具、ゼリー缶などそのほか色々な道具が含まれている。20年に及ぶ紛争は、ソマリアの大部分、特に中・南部に無法と無政府状態をもたらした。「ソマリアで活動している人道支援スタッフにとって、今の状況は極めて困難なものです。」と、エイドリアン・エドワードUNHCR報道官は19日ジュネーブで行われた会見で報道機関に説明した。「より円滑なアクセスと、仕事における人道的性質が重視されていることの保証が必要です」と言った。
続く暴動、自然災害や干ばつの波などが度重なることで、ソマリアの人口750万人の4分の1もの数の人が国内避難民となった。ほぼ150万人の人たちがソマリア国内で避難しており、現時点で16万人以上のソマリア人が、周辺国であるジブチ、エチオピアやケニアへ逃れている。8人の子どもの母、トゥカーイ・シヤードウ・イサックさん(47)はソマリア中央部、バイドイアへ逃れ、20日間かけてより北に位置するガルカーヨに到達した。イサックさんの家族は国内避難民のための居住地に定住した。「干ばつの影響で家畜が全部死んでしまったので移動することにしました。ここに来たのは生き残るためです。道のりは長く大変なもので、支援者に頼るほかありませんでした。」とイサックさんは言った。「ある人たちはソマリア国内の他の地域に移動し、他の人たちはケニアのダダーブに行きました。ダダーブは私の母国ではないので、ここを選びました。それでもここには知り合いもいません。かなり混乱しています。今後どうなるのかわかりません」。
周辺国へ渡ったソマリア人は、密集する難民キャンプに収容されている。UNHCRの公衆衛生とHIV部門を率いるスピーゲル医師はつい最近、エチオピアの国境地域、ドロアドにいた。ジュネーブの報道機関に対し、「6月には、かつ1万人につき7.4人が毎日死亡しており、これは通常のサブサハラアフリカにおける死亡率の15倍にあたります。」と、最近コベ難民キャンプへ到着した人たちは極めて悪環境にあり、キャンプ内の数の半分以上がひどい栄養失調状態にあると伝えた。しかし最後の好機の可能性を待たずに難民がどんどんキャンプを去っていくことで、毛布の配給不足が改善され、ひどい栄養失調状態にある5歳以下の子どもたちの治療にも集中できるため、7月には健康状態が改善されたと付け加えた。水不足や臨時トイレの不足などの厳しい欠乏が、その他残された課題として含まれる。
UNHCRは人口移動の追跡方法の強化と、エチオピアのドロアド難民キャンプとケニアのダダーブ難民キャンプへ繋がる回廊地帯での監視保護を強化している。「周辺国のキャンプに次々到着する難民の健康状態が深刻である中、ソマリアの人たちがどこにいても救助されるべきだと、人命救助の重要性をUNHCRは信じています。これはすでにキャンプが多くの難民であふれている周辺国へ渡る必然性を軽減することができるかもしれません。ソマリア国内における支援活動の効果を高めるために、私たちは全ての動きを監視し続けます。」と、UNHCRの報道官は述べた。
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