UNHCR駐日事務所は、2025年に開催される「瀬戸内国際芸術祭2025」に向けて、瀬戸内国際芸術祭実行委員会と連携して、難民一人ひとりの物語や旅路に光を当てる共催企画を進めていくことで、合意しました。3月26日に香川県高松市内で開かれた同実行委員会総会にて、正式に決定されました。
瀬戸内国際芸術祭において、同実行委員会と国連機関が共催で企画を実施するのは、今回が初めてです。企画の詳細は順次、お知らせさせていただきます。
世界ではいま、紛争や迫害によって故郷を追われた人が1億1,000万人を超え、多くの人々が過酷な現状に直面しています。難民を取り巻く課題を解決するために、UNHCR駐日事務所では「誰一人取り残さない社会」、そして「社会全体で取り組む難民支援」の実現に向けて、パートナー団体や政府、企業などと連携しながら、啓発活動をはじめ、さまざまな活動を行っています。
瀬戸内国際芸術祭は、瀬戸内海の島々を舞台に展開される日本最大の現代アートの祭典。2022年開催の前回は、33の国と地域から188組の作家が参加し、コロナ禍にありながら国内外から70万人以上が来場しました。また、基本理念に「瀬戸内海が地球上のすべての地域の『希望の海』となることを目指す」ことを掲げ、これまでもSDGs目標に向けた「持続可能な社会の実現に向けた取り組み」や、「日本を含むアジアにおける美術のハブ」として世界との交流を推進してきました。
「瀬戸内国際芸術祭2025」では、UNHCRが同実行委員会と連携し、UNHCRの世界的なネットワークを活用しながら、故郷から避難を余儀なくされた人々に光を当てる共催企画を実施する予定です。
UNHCR駐日代表の伊藤礼樹(いとうあやき)のコメントは以下の通りです。
「ある日突然、大切に築いてきた暮らしを手放し、難民になることを選ぶ人は誰一人としていません。しかし、そのような状況に置かれた人々をどのように支え、これからの社会を築いていくかは、私たち一人ひとりの選択にかかっています。今回、アートを通じて世界とつながる場をつくりあげてきた瀬戸内国際芸術祭実行委員会のみなさんと連携し、国内外から多くの方々が訪れる芸術祭で、難民一人ひとりに光を当てる企画を実施できることは、これからの社会のあり方を考える上で、これ以上にない機会になると期待しています」
◾️UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)とは
国連の難民支援機関であるUNHCRは、難民、国内避難民、無国籍者などを国際的に保護・支援するため、世界約135カ国で活動しています。2023年12月にスイス・ジュネーブで開催された「第2回グローバル難民フォーラム」で共同議長国を務めた日本と連携しながら、多様なパートナーとともに、“社会全体で取り組む難民支援”の推進に取り組んでいます。1954年、1981年にノーベル平和賞を受賞。本部はスイス・ジュネーブ。https://www.unhcr.org/jp/
◾️瀬戸内国際芸術祭とは
瀬戸内国際芸術祭は、瀬戸内の島々を舞台に、3年に1度開催される現代アートの祭典です。2010年に第一回が開催され、約100日間の会期は春夏秋の3シーズンにわかれていて、季節ごとに瀬戸内の魅力が体感できます。期間中には約100万人の人々が国内外から訪れる、日本を代表する国際的な芸術祭となっています。「海の復権」をテーマに掲げ、来訪者はアートを道しるべに島々を巡りながら、アーティスト、地域住民やボランティアサポーターと交流し、瀬戸内の持つ美しい景観や自然、島の文化や生活に出会うというスタイルが国内外の多くの方々の共感を呼んでいます。また、世界の著名誌に取り上げられるなど、瀬戸内国際芸術祭は世界のツーリズムからも注目を集めています。https://setouchi-artfest.jp
◾️お問い合わせ先
UNHCR駐日事務所広報 伊吹 [email protected]
瀬戸内国際芸術祭実行委員会事務局 087-813-0853 / [email protected]