アフガニスタンで続いている紛争が激しさを増し、UNHCRは人道危機が深刻化していると懸念を示しています。国連では市民の命を守るために、永久停戦と和平交渉の呼び掛けを続けています。
この対立の激化により、すでに数多くの犠牲者が出ています。国連アフガニスタン支援ミッションは、暴力の段階的な緩和が顕著にみられなければ、国連が統計を出し始めて以来最大の市民の犠牲者が1年で出ることになると警告しています。
UNHCRが特に懸念しているのは、女性と女児への紛争の影響です。5月末以降、故郷を追われたアフガン人の多くは女性と女児です。
2020年末時点でアフガニスタン国内で避難を強いられている人はすでに290万人、今年に入ってさらに約40万人が避難を余儀なくされています。
現在、アフガニスタン国内の34州のうち33州にまで戦闘は拡大しています。
故郷を追われた大半のアフガン人は国内にとどまっており、すぐそばで争いは続いています。今年に入ってから12万人近くが地方からカブール州に避難しました。
UNHCRは国際社会に向けて、アフガニスタンの難民危機に対する支援を緊急に強化するよう求めています。
国連全体での取り組みは続いており、その中でUNHCRは、国内で避難を強いられた約40万人のニーズ調査を行いました。最も優先すべき対応として、食料、シェルター、衛生キット、その他命を守るための支援をパートナー団体と連携して実施しています。
UNHCRはアフガニスタン近隣国に対して、深刻化する危機を考慮して国境を開いておくよう求めています。
安全を求める場所が確保できなければ、多くの市民の命がリスクにさらされる可能性があります。UNHCRは必要に応じて、人道支援の強化に向けてアフガン当局を支援する体制を整えています。
アフガニスタンの多くの地域で情勢不安が常態化していることから、アフガン国外で国際的な保護を必要とする人が増えるのは明らかです。UNHCRはすべての国に対して、アフガン人が現状の法的地位に関わらず、安全が求めることができるよう呼び掛けています。
アフガニスタンでの紛争の激化を受けて、すでにいくつかの国では、庇護申請が認められなかったアフガン人の送還を一時的に停止し、庇護を求める手続きにアクセスできる措置を取っており、UNHCRはこの取り組みを歓迎します。
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