日本政府は、ミャンマー南東部の国内避難民に向けて行うUNHCRの人道支援に対して、総額300万米ドル(約3億2,400万円)の緊急無償資金協力の実施を決定しました。
2021年2月1日に国家緊急事態宣言が発出されたミャンマーでは、食料や必要最低限の生活物資が不足するなど、人々の生活環境が急激に悪化しています。また、南東部では少数民族武装組織などと国軍の衝突が多発していることから、国内避難民も急増しています。
2020年末時点でミャンマー南東部の国内避難民は約1万5,000人でしたが、2月1日以降、少数民族武装組織と国軍の武力衝突によりその数は約17万7,000人にまで増加し、今すぐの支援が求められています。
今回の資金協力を通じて、国内で避難を余儀なくされた人々に対して、生活に必要な物資、簡易シェルター設置ための資材が提供されます。また、ホットライン(相談窓口)の開設や国内避難民のコミュニティネットワークの強化を通じ、特別な支援が必要な人の特定、避難している人の場所や人数、状況などをコミュニティ主体で把握することができるよう、コミュニティベースの保護活動が行われます。
今回の人道危機は、すでにミャンマー南東部が多面的な危機に直面している中で発生しています。新型コロナウイルス感染症、少数民族組織と国軍の衝突、ミャンマーの緊急事態による物資・食料の不足など、避難を余儀なくされた人は何重もの不安を抱えて生活しており、UNHCRは他の機関と連携しながら支援にあたっています。
UNHCRは今回の人道危機に対する緊急援助の必要性を国際社会に訴えます。
【支援内容】
ミャンマー南東部:
・簡易シェルターの材料と生活物資の提供(7,000セット)
・コミュニティネットワークと保護活動の強化