日本政府は、エチオピア北部での軍事衝突に端を発したスーダンへの大規模な難民流入を受けて、緊急無償資金協力の実施を決定しました。
11月初旬にエチオピア北部で発生した人道危機により、国境を接するスーダン東部では、エチオピアから安全を求めて国境を超える人が12月6日時点で約4万9,000人に達しました。主な越境地点である3つの地域はスーダン国内でもアクセスが困難な場所にあり、人道支援が急務となっています。
今回の資金協力を通じて、着の身着のまま逃れてきた難民の生活に必要なインフラを緊急に整備するため、共同のシェルターや簡易休憩所、水の供給システムが設置されます。また、越境地点に到着したばかりの人々の安全を確保するため、指定の難民キャンプや居住地域への移送を迅速に行います。大規模な人の移動が続いていることから、人の密集により拡散する伝染病、家族がはぐれてしまうなどのリスクを防ぐためにも極めて重要な支援です。
今回の人道危機により、すでに多面的な危機に直面しているスーダンは、さらなる困難に直面しています。燃料の不足、物価の上昇、貨幣価値の下落は新型コロナウイルス感染症による移動制限によってさらに悪化しており、食料不足は深刻化しています。またスーダンは、南スーダン、エリトリア、アフリカ中央共和国などから100万人を超える難民を受け入れており、受け入れコミュニティ、難民ともに支援を必要としている状況です。
このような状況下で、スーダン政府は今回の人道危機による大量の難民を受け入れ、UNHCR、その他の機関とともに支援にあたっています。UNHCRは今回の人道危機に対する国際社会からの緊急援助の必要性を訴えます。
【支援内容】
スーダン:250万米ドル(約2億5,800万円)
・共同シェルターや簡易休養所設置(40棟)
・共同トイレ(100基)及び水供給場所(2つ)設置
・流入してきた難民の、越境地帯から難民キャンプや居住地域等への移送(約2万人)