日本政府は、ブルキナファソ、チャド、ニジェールにおける治安状況の悪化を受けて、難民・国内避難民、受け入れコミュニティに対する支援として、総額120万米ドル(約1億2,700万円)の緊急無償資金協力の実施を決定しました。
ブルキナファソやニジェールを含む中央サヘル地域は、世界で最も急速に拡大している人道危機に直面しています。民間人に対して無差別に行われる武装集団による攻撃(無差別の暴力、ジェンダーに基づく暴力、学校や保健施設を含む公的機関への攻撃など)の影響を受け、故郷から逃れる人は数百万にもおよんでいます。
また、2013年以降に中央アフリカからチャドに逃れてきた難民は、チャド国内でも開発が遅れている南部に集中して避難生活を送っており、追加の支援が必要とされています。
これら3カ国とも新型コロナウイルス感染症による社会経済的影響を受けており、生計手段の喪失による生活の困窮化への懸念が高まっています。特に脆弱な立場にいる人々の搾取や周縁化を防ぐため、即急な支援が求められています。
今回の資金協力を通じて、各地で避難を強いられている難民や国内避難民、さらに受け入れコミュニティに対する性と性差に基づく暴力からの保護・予防、緊急シェルターや非食料援助物資の供与、医療サービスの提供、生計向上支援といったさまざまな支援が可能となります。
UNHCRはこれからも日本政府をはじめとしたドナーの支援を受け、世界各地の難民、国内避難民などに対する人道支援を拡充していきます。
【支援内容】
ニジェール:国内避難民(約1,000世帯)への性と性差に基づく暴力からの保護・予防のための緊急シェルターなどの提供
チャド:中央アフリカ難民(約8万9,000人)への医療サービス、生計向上支援、性と性差に基づく暴力からの保護・予防の実施
ブルキナファソ:国内避難民と受け入れコミュニティ(約1万5,000人)への生活物資の配布を通した性と性差に基づく暴力からの保護・予防