ベラルーシの首都ミンスクにあるコミュニティセンター、ユーレカ。キックボクシングやクラシックバレエ、裁縫から陶芸まで、約7000人の子どもたちがさまざまなアクティビティを楽しんでいます。
ここでの活動には、UNHCRとパートナーシップ団体の協力により、難民や庇護申請中の子どもたちが無料で参加できます。ふるさとから離れて暮らす彼らにとっては、言語力を高めることはもちろん、友達をつくり、新しい社会に溶け込む絶好の機会となっています。
ベラルーシは長年にわたり、ジョージア、シリア、アフガニスタンなどから多くの人々を受け入れてきました。現在では紛争、迫害から逃れてきた約2200人の難民と6000人の無国籍者が暮らしています。
ユーレカでダンスを習っている4人兄弟は、2016年に家族でアフガニスタンから逃れてきました。父親のファーマンは、「初めてダンス教室から帰ってきた日、“いったい何があったの?”と聞きました。それくらい、子どもたちの表情が生き生きとしていたのです」。
ユーレカに3人の子どもを通わせている母親イリナは、「大事なのは、子ども同士が同じ時間を共有しながら、コミュニケーションをとり、一緒に考えることができること。ここに国境はありません」と話します。
またユーレカは、難民や庇護申請者たちが、地域で孤立しないように働きかけを行う場にもなっています。毎週土曜には、かつて難民であり、現在はベラルーシで市民権を得ているナヒドが、アフガニスタンの歴史と公用語のひとつであるダリー語を35人の若者にレクチャー。自身のアイデンティティを維持しながら、新しい土地に馴染むことができるという経験を伝えています。
コミュニティセンターという公共施設がこのような取り組みを行うことは、世界的に見てもとてもユニークな事例。このように、難民の子どもたちの地域統合の架け橋となる場が増えることが期待されています。
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