UNHCRは、ユニセフ(国連児童基金)、国際移住機関(IOM)、EU統計局(Eurostat)、経済協力開発機構(OECD)と共同で、難民や移民についての統計データ不足によって、数百万人もの子どもの命と生活が脅かされていると警告しました。
多くの国では、難民や移民の年齢、性別、出身国などの情報が入手可能な統計データに含まれておらず、同伴者の有無などの詳細も分かりません。世界中の難民や移民の子どもの正確な実態をつかむことが難しく、支援や保護が必要としている子どもたちに届かなくなってしまいます。
世界の数百万人の子どもにとって、他国への移動は自主的なものではなく、リスクと危険を伴います。正規の手段で移動できない子どもの多くは、虐待や搾取のリスクがある非正規の手段を選んでおり、その結果、多くの子どもが海で溺れたり砂漠で迷い、命を落としています。多くの場合、こうした情報が報道されたり、統計にカウントされることはありません。
2016年には、1200万人以上の子どもが難民または庇護申請者、国内で移動を強いられた子どもは約2300万人(内訳は紛争で1600万人、自然災害で700万人)と推定されていますが、実際の人数は知られておらず、大幅に多いとみられています。より詳しいデータがなければ、子どもたちが直面している危険を把握することができません。
移民と難民に関するグローバル・コンパクトの策定に向けてデータ収集や分析を強化している中、UNHCRを始めとした5つの国連機関とパートナーは加盟国に対し、データの空白を細分化されたデータで埋め、そのデータを関係機関と共有するよう協力を呼びかけました。細分化された包括的なデータがあれば、移民や難民の子どものニーズを明らかにし、より効果的に支援や保護を届けることができるようになります。
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