来月から縫製工場で働くシリア難民の女性たちと面会するフィリッポ・グランディ高等弁務官
© UNHCR/Claire Thomas
2月にヨルダンの難民キャンプを訪れたフィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は、ヨルダン政府によるシリア難民の雇用支援の取り組みについて、同地域にいるシリア難民数百万人を貧困から救い出すためにはヨルダンが実施するような政策が必要だと賞賛しました。
ヨルダンに避難しているシリア難民は65万7000人おり、8割以上が1日3米ドルの貧困ライン未満で生活しています。避難から数年が経ち、負債が膨れ上がり日々の基本的なニーズを満たすことが難しい家族が多くなっています。
ヨルダン政府は、これまでに8万8000人以上のシリア難民に対して就労許可を発行しました。大多数が農業や建設業に携わり、全体の約5パーセントが女性です。
グランディ高等弁務官は、「これは、難民が食糧や現金の給付支援に頼らない、新しい難民支援の方法です。難民は自身でお金を稼ぎ、仕事に就く尊厳を持つことができる上、帰還後に役に立つスキルも身に付けることができます。ドナーに対して、私たちはこのような政策への投資の必要性を伝えたいと思います」と述べました。
また、最近シリア情勢が再び悪化していることについて、政治的な交渉が繰り返し失敗し、国際社会はシリア紛争の解決策を模索できていないと強い懸念を示し、複数の勢力が関わることでシリア紛争がより「国際化」していけば、解決からさらに遠ざかってしまうと訴えました。
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