2月9日~13日にドイツで世界最大規模の消費財見本市が開催され、難民たちが作った伝統工芸品が販売されました。
そのきっかけとなったのが、UNHCRがパートナー団体と連携して新たに始めた「MADE51」。難民たちが受け入れ国で伝統技術を生かして生計を立てられるよう、工芸品を販売する場を提供する取り組みです。その一環として、シリアやミャンマーなど11ヶ国から避難してきた難民たちが、今回この見本市で自身で作った工芸品を出品したのです。
MADE51では、受け入れ国にある社会的企業の協力の下、流行を取り入れた“売れる”商品を製作するための支援も行なっています。このプログラムに参加するすべての難民たちが適正賃金で働くことができており、また、伝統技術の継承にもつながっています。
工芸品を作り販売することは、単に経済的自立に向けたツールではありません。「この仕事を通じて、私は生まれ変わりました」。レバノンでアップサイクル※の会社に勤務するシリア出身の職人のこの言葉が、それを証明しています。
フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は、「難民たちは、チャンスさえあれば、開花する才能や技術を持っています。工芸品も自分が作ったものを販売できて初めて、持っている技術を生かし、収入につながるのです。難民の商品を流通に組み込んでいくうえで、小売店やブランドはその一翼を担うことができます」と期待を寄せています。
くわしくはこちら(英語)
※廃棄物や使わなくなった物を、素材として利用したり、より良いものに作り変えることで付加価値を高めること