2014年7月3日・ジュネーブ発
UNHCRは本日、庇護申請者、難民、そして無国籍者の収容の廃止を訴える世界的戦略を打ち出した。
庇護申請者と難民の収容は未だに数多くの国で日常的に行われており、被収容者とその家族に重大で長きに渡る影響を与える。UNHCRは、特に子どもに対する収容管理がより頻繁に行われていることに対して懸念を示した。
UNHCRが新たに発表した“Beyond Detention”戦略は、まず子どもに対する収容をやめ、次に収容代替措置が法制化され、実際に実行に移されること、そして収容が避けられない場合には収容所における環境が国際的基準を満たすものであることを保障するよう訴える。
フォルカー・タークUNHCR国際保護局長は、「庇護を申請することは、合法な行為であり、基本的人権の行使です。彼らは保護を必要としている人々なのであり、常日頃からの習慣だからといって難民申請者を収容するべきではありません。我々は、特に子どもの収容をなくすため、各政府と協働力していく用意があります」と語った。
UNHCRは規範に反する入国や滞在が各国にもたらす課題について理解を示しつつも、収容が解決に繋がるわけではないとしている。庇護申請者が適切な対応を受け、移動の自由や支援が受けられるよう勧告する。国際法の下では庇護を求めることを合法としており、人は人道的に、そして尊厳をもって処置される権利を有している。
UNHCRは、まず始めに収容の実態を再検討することを目的として数カ国を選んだ。その中にはハンガリー、インドネシア、リトアニア、マレーシア、マルタ、メキシコ、タイ、イギリス、そしてザンビアが含まれているが、この先5年かけて対象国を拡大する予定である。
特に拘束が長期に及んだ場合、庇護申請者や難民の健康や幸福に不必要な苦痛をもたらす。また、こうした経験は不安や恐怖をかきたて、過去のトラウマの助長に繋がる。特に子どもの場合、家族と別離していなくても、収容がもたらす心身の発育に及ぼす影響は計り知れない。
“Beyond Detention”は、2014年6月から2019年6月の5年間にわたって、UNHCRが各政府や関係者と共に収容に関する政策や実行に関する問題点に対処するためのイニシアティブである。こうした問題に対する意識の向上、能力開発、パートナーシップの強化、情報共有、データ収集、報告、リサーチやモニタリングなどを含む国家行動計画を作成することを中心に戦略の実施を目指す。
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