日本政府はUNHCRに対して1億3122万米ドルを補正予算からの支援として決定した。この資金は、世界26ヶ国における難民、国内避難民、帰還民、無国籍者支援に充てられる。内訳は、アフリカ(7005万米ドル)、中東(4994万米ドル)、アフガニスタンと周辺国(893万米ドル)、ミャンマーの国内避難民と無国籍者(230万米ドル)である。今回の支援はUNHCRが2015年に人道支援を展開するのに必要な68億米ドルの一部として活用される。
マイケル・リンデンバウアーUNHCR駐日代表は、日本の多大な貢献に深い感謝の意を表明し「複数の危機が起こり、UNHCRはかつてないほどの資金不足に直面している。そのような状況において、日本は増加し続ける難民、避難民、そして無国籍者への保護と支援において大変重要な役割を担っている」と述べた。
アフリカにいるUNHCRの支援対象者数は1300万人。世界中にいるUNHCRの支援対象者の3分の1がアフリカに集中している。中央アフリカ共和国、南スーダン、ナイジェリア、コンゴ民主共和国の東部では戦闘により、多くの人が家を追われている。日本の貢献によってアフリカで移動を余儀なくされている多くの人々に保護と支援が届けられ、また、難民や避難民を受け入れているコミュニティは、恒久的解決策の促進という観点からもサポートを受けられるようになる。
中東に目を向けると、シリア紛争は5年目に突入し、800万人がシリア国内で避難生活を送っている。シリア周辺国に逃れたシリア難民の数は400万人にのぼり、UNHCRが支援している難民の中で最多である。更にイラクでの衝突により、225万人以上がイラク国内で避難民となっている。日本の貢献はこれらの人々の苦しみを和らげ、迅速に支援を届けることを可能にする。
アフガニスタンは人道問題が最も長引いている国である。260万人のアフガン難民の多くはパキスタンとイランで避難生活を送っている。日本からの支援はアフガニスタン地域の長期的な解決策を視野に入れた支援計画に活かされる。今回の資金供与はアフガニスタンにいるパキスタン難民、またパキスタンの国内避難民の支援にも充てられる。
ミャンマーではカチン州とシャン州北部で10万人が、またラカイン州では14万人が避難を余儀なくされている。また、80万人以上が国籍を持っていないと見られる。日本の貢献はこういった避難民と無国籍者の支援にも充てられる。
UNHCRが世界中で行っている活動は政府からの任意拠出や個人、企業からの寄付に支えられている。2014年、日本は総額1億8161万2466米ドルを拠出しており、UNHCRにとって第4位のドナー国である。