IKEA FoundationとUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の独創的なコラボレーションから、世界中の難民の家族のための、新しく、安全で、革新的で、より耐久性に優れたシェルターが誕生しました。UNHCR はこのたび社会的企業のBetter Shelter(ベター・シェルター)と1 万台のシェルターに関する包括協定を結びました。
Better Shelter の活動は、IKEA Foundation が設立した非営利財団のHousing for All Foundation(ハウジング・フォー・オール・ファウンデーション)が開始したものです。
フラットパックで納品される安全で機能的な仮設シェルター(仮設住居)により、Better ShelterはUNHCRとIKEA Foundationとともに、暴力や紛争、迫害、自然災害を逃れた何百万人もの難民に尊厳と安全をもたらしたいと願っています。この比類なきパートナーシップは、難民のためにデザインを行うことと、難民のニーズをシェルターの開発プロセスに盛り込むことへ、革新的なアプローチを導入しました。デモクラティックデザイン(フォルム、機能、品質、サステナビリティ、低価格)の画期的な例となるシェルターの試作品が、イラクとエチオピアの難民の40家族によって試され、改善が施されました。この開発プロセスの中心にあったのは、難民の家族の実体験とニーズです。現地での使用試験の結果を受けて、シェルターのデザインに改善を重ね、ついに大量生産の段階にたどり着きました。
Better Shelterは輸送量・重量・価格・安全性・健康面・快適性に特に配慮してデザインされた仮設シェルターです。現地での組み立てに追加の工具や設備を必要とせず、夜間の明かりを提供するためのソーラーパネルと太陽光発電の照明があらかじめ備わっています。このシェルターの平均寿命は3年です。
シェルターの生産はまもなく開始され、2015年の夏にはUNHCRによって難民キャンプの数千の家族への提供が開始されます。
「Better Shelterは2015年にUNHCRに対し1万台のシェルターを供給し、UNHCRはこのシェルターを全世界で運用しますが、これは始まりにすぎません。私たちは、難民となった人々の役に立てるため、Better Shelterやその他のソリューションの開発を今後も続けていきます。革新こそが、私たちのもっとも強力な原動力です」(Johan Karlsson、Head of Business Development、Better Shelter)
「RHU(Refugee Housing Unit、難民住居ユニット)は人道的なシェルターの分野における、新たなすばらしい開発品であり、窮地にある人々の支援を目的として駆り集められるさまざまな種類の仮設住居の選択肢の中に、本当に必要とされる選択肢として新たに加わります。このシェルターの配備により、人道的危機や自然災害の影響を被る多くの人々の暮らしが劇的に改善するのは確実です」(Shaun Scales、Chief of Shelter and Settlement、UNHCR)
「プロジェクトの中心に難民の家族と彼らのニーズを据えたことは、人道的な価値観のためのデモクラティックデザインの非常に優れた使用例となりました。Better Shelterをお届けできることを心から誇らしく思います。これで難民の家族と子どもたちが、家と呼べるより安全な場所を手に入れることができます」(Jonathan Spampinato、Head of Strategic Planning and Communications、IKEA Foundation)
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