スイス・ジュネーブ
ジャック・ロゲ国連事務総長特使は7月25日、難民の若者に向けたスポーツプログラムを継続的に続けていくことの重要性を語った。
UNHCRジュネーブ本部を訪問したロゲ特使はアントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官と面会し、スポーツが難民の教育や健康にどのような影響を与え、地域の活性化や結束力の向上に繋がるかについて説明した。
「スポーツプログラムは、難民キャンプにサッカーボールを届けて終わるのではなく、その先を見据えて行なう必要があります。キャンプや都市部で生活する難民が、継続してスポーツを続けられるようなプログラムを作ることが大切です。」と語った。
またグテーレス高等弁務官も、特にシリアやアフリカで起きている危機の規模の大きさやその複雑さについて説明した。
グテーレス高等弁務官は、「難民支援の現場において、スポーツは人々を結びつける重要な要素です。しかし危機下においては人命救助が優先され、スポーツは後回しになってしまうことが多い。
若者は、武装集団などに勧誘されたり、搾取の対象になる危険がありますが、スポーツはそれを防ぎ、保護する役目も果たします。」と語った。
ロゲ特使は、現地で活動を行ってきたUNHCR職員などと面会し、子どもや若者が直面する困難な現状や、必要とされている支援について説明を受けた。このロゲ特使の訪問を受けてUNHCRは、キャンプや都市部で生活する難民や国内避難民を対象としたスポーツプログラム導入に向け準備を始める。
ロゲ特使は前国際オリンピック委員会会長であり、現在は同委員会の名誉会長を務めている。今年4月28日に世界の平和と社会の発展をスポーツを通じて促進するため、国連事務総長をサポートするスポーツ特別大使に任命され、難民の若者を対象としたプログラムでUNHCRとも密接に連携する。
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