UNHCRはケニア北部で食糧配給量削減の対象になっている何十万人ものソマリア難民の不安を和らげるため、今回の食糧配給量削減はソマリアへの帰還を促すためのものではないと強調した。
ラウフ・マゾゥUNHCRケニア事務所代表は、キャンプにいる人々に落ち着きを取り戻すよう呼びかけ、「食糧配給量の削減は単純に資金不足の結果であり、予定されているソマリアへの自発的帰還を支援する試験的プログラムとは関連性がない」と語った。
またマゾゥ代表は、UNHCRと国連WFPは連携してカクマとダダーブの難民キャンプにいる合計49万人の難民の食糧不足の解消に24時間体制で取り組んでいると強調する。「事態がここまで困窮するとは予測していなかったが、我々はパートナー団体と協力し、追加の資金を確保するため必死に取り組んでいる」と語った。
国連WFPは11月21日、通常の食糧配給量6ヶ月分を確保するための資金が3800万米ドル不足しているため、今後2015年1月末まで主に南スーダン難民が避難しているカクマ難民キャンプと、ソマリア難民が避難しているダダーブ難民キャンプに届ける2ヶ月ごとの食糧支援の配給量を半分に削減すると発表した。
UNHCRと国連WFPは、今年7月にも資金不足によりアフリカの難民80万人への食糧支援を削減しており、食糧配給量の確保と難民の栄養状態改善のため、1億8600万米ドルの拠出を呼びかける緊急支援を要請した。
多くの難民が食糧配給量の削減を深刻にとらえている。10人の子どもと共にダダーブのダガハレイ難民キャンプに避難しているフセイン・ファラは、「私たちのように外国にいる親族から送金を受けていない一部の人々にとっては、普段受けられる毎月の配給量でも子どもを養うのは困難です。今回の削減でどれほど苦しくなるのか想像もつきません」と語る。
またダダーブでは、今回の削減とソマリアへの自主的帰還を支援するプロジェクトの関係性を疑う人々もいる。2013年11月、UNHCRはケニアとソマリア両政府と合意に達し、ソマリアへの自主的な帰還に伴う法的な枠組みを打ち出した。帰還の期限は定められておらず、帰還は自発的に帰還する難民を支援する試験的プロジェクトとして実施される。
10月末までに3231人の難民がダダーブ難民キャンプの相談窓口で帰還について尋ねている。この中の2500人が、帰還支援の対象となっている。
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