スイス・ジュネーブ・(5月10日)発、
5月10日、UNHCRはリビアから逃れてくる人を乗せた船の地中海での沈没事故に対して哀悼の意を表し、ヨーロッパ諸国に海上救助手段の改善を緊急に要請した。またメリッサ・フレミングUNHCR主席報道官はジュネーブの記者団に「船主には警戒を高め、船員には長年続けられてきた、困難にある人を支援することへの義務を守ってほしい」と訴えた。
約600人を乗せた船は6日、リビアの首都トリポリを出航後間もなく沈没してした。トリポリのソマリア大使の報告によると、幼児2人を含む16人の遺体が収容されたものの、全体の死傷者は未だ把握できておらず、乗員のほとんどがサハラ砂漠以南の出身者であった。北アフリカ諸国で続く紛争の中、ヨーロッパはリビアの避難民全体の2%以下を現在まで受け入れているが、、船旅による危険を冒しながらも、地中海を経由してヨーロッパへ入る人の数は週末で一気に増えた。
6日、7日に多くの女性と子どもを含む、約2400人を乗せた船5隻がイタリアのランペドゥーサ島へたどり着いた。しかしイタリア海岸保安員や警備員の救助を必要とする5隻の内、1隻が座礁し、9日にはその乗船者であったと思われる3名の遺体が打ち上げられている。2月中旬に始まったリビアでの危機以来、イタリアとマルタ諸島に逃れてきた船は全部で35隻、1万2360人(イタリアに1万1230人、マルタ諸島に1130人)にのぼった。6日の事故の前には、家族や生存者たちは、UNHCRに800人もの多くの人が行方不明だと告げている。
4月初旬、UNHCRはヨーロッパ諸国に対し、地中海でのより確実で効果的な海上救助の手段をはじめて要求した。フレミング主席報道官は「私たちは本日、この要求に関してもう一度念を押す」と、海上で危険にさらされている人への支援を船主に要求した。
リビアから逃れてくる人の多くは航海に適さない状況や定員オーバーの状態であることが多い。「リビアからヨーロッパを目指す船のほとんどは援助を必要としている」とUNHCRは各国政府、地中海における商業船や他の機関に対して強調した。
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