UNHCRキルギス、ビシュケク(12月3日)発:
UNHCRは6月に起きた暴動の結果、焼き討ちなどで家が損壊したキルギス南部の1万3400人の仮設住宅を建てる住宅再建プログラムを完了した。
本格的な冬が訪れる前に住居を提供することは大きな目標となっていた。6月の暴動で約400人が命を落とし、37万5000人が避難を余儀なくされ、当時多くが隣国ウズベキスタンに逃れた。
「シェルターも完成し、次の段階として和解、特に法治、人権行使の回復に取り組む時期に来ている。キルギスのこの地域の情勢はいまだに不安定だ」とUNHCR報道官は述べた。
破壊からわずか100日間で2000戸の家屋が補修、もしくは再建された。このめざましい住宅再建の実現には、UNHCR、パートナーNGO、キルギス政府が共に連携し、日本政府などのドナー国からの迅速な資金援助があったことが背景にある。
UNHCRは建設された住居の5分の4を担当した。住居が完成し、多くの人がそこでの新たな生活を始めた今もなお、UNHCRは避難の際、焼かれるなどして紛失した家屋、土地、所有権などの公的書類の復元も継続して支援する。
冬を前に、新たな住居に移った人は一様に安堵を表していた。キルギス南部ではすでに、夜間の最低気温が零度を下回る日もある。本格的な冬を前に、屋根のついた家屋で生活することができるようになるとは想像できなかったと、数か月前まで、国を離れようとする人たちからの感嘆の声もあがった。
仮設住宅は外気から身を守ると同時に損壊した住宅の敷地内の基礎を活かしながら建てられ、専門家の指導を受けながら、自らの手で建設にかかわった住民も多い。このプロジェクト実施にあたり、UNHCRキルギス事業予算2300万米ドルのうち、900万米ドルかけて建設された。
2011年はキルギスのみで1140万米ドルの予算が必要になると計画されている。その大半は基本的権利の回復、基本的な社会サービスの整備、各種書類の復元、そして、生計を建て直すためのプロジェクトに使われる予定だ。
住宅再建の現場以外にも、日本の民間企業、株式会社ユニクロの「全商品リサイクル活動」として店頭で集められた衣類が、キルギス南部の多くの避難民に配布された。UNHCRはドナー政府、開発機関、民間企業、NGOなどのパートナーとの連携を強化し、より包括的な支援、保護を行うべく取り組んでいる。
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