2020年9月、アフリカで初めて、コートジボワールが無国籍者の認定手続きの導入を決定しました。これまで法的に存在が認められていなかった人、同国内で国籍を持たない数千人の保護につながります。
「これは大きな一歩です。私たちは、コートジボワールの大きな決断と、無国籍問題への取り組みを確固たるコミットメントに敬意を表します」と、UNHCR西・中央アフリカ副局長は話します。身分証明書を持てるようになるだけでなく、教育や医療へのアクセス、合法的な就労、銀行口座の開設、土地の購入など、さまざまな道が開かれることになります。
2019年の調査によると、世界最大級の無国籍人口を抱えるコートジボワールでは、無国籍、もしくは無国籍になる危険性がある人が160万人とされています。また、新型コロナウイルスの感染拡大により、国の対応から取り残されたり、適切な医療へのアクセスが難しいことから、無国籍者のリスクはさらに高まっています。
コートジボワールは2013年に2つの無国籍条約に加盟、2015年には西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)による無国籍根絶に関するアビジャン宣言を採択するなど、近年は国を挙げてこの課題への取り組みを強化してきました。
「依然として課題は残っており、すべての国民が国籍をもつことを確実にするための努力は必要です。しかし、コートジボワールはアフリカの他の国が見習うべき手本であることは間違いありません」とUNHCRコートジボワール代表は話します。無国籍者の防止と解決に向けてUNHCRは当局と密接に連携しており、無国籍認定手続きの導入への支援も進めています。
西・中央アフリカの9カ国もすでに同様の手続きを実施することを誓約しており、域内の11カ国は無国籍に関する調査を開始、今後の人口調査で無国籍に関するデータを収集するための質問を盛り込む予定です。
世界では現在、76カ国で約420万人の無国籍者が報告されていますが、実際の人数はさらに多いとみられています。世界のすべて人が国籍を持ち、基本的な権利にアクセスできるよう、UNHCRは2024年までの無国籍の根絶を目指して、「#IBelongキャンペーン」を実施しています。
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