バングラデシュのロヒンギャ難民キャンプでは、雨期の到来に伴い、モンスーン、サイクロンへの警戒が高まっています。
「自然災害のリスクを知らずに、低地にシェルターを建ててしまった家族が何千世帯もあります。これから高台への移動を進めていかなければなりません」と、バングラデシュ政府の地域担当官は話します。
そこで今、注目されているのが、バングラデシュ政府が実施している「サイクロン対策プログラム」です。
自然災害による被害を最低限に抑えるため、数十年前に始まったこのボランティア育成プログラム。サイクロンによるリスクを正しく理解し、実際に直撃を受けたとき、個人、グループでどのように対処すべきかを学びます。これまで500人近くが参加し、プログラム修了後には軍手や長靴、ヘルメット、笛、海中電灯などが支給され、それぞれの地域でボランティアとして活躍しています。
今年初めて、約60万人のロヒンギャ難民が暮らすバングラデシュ南東部の難民キャンプにも適用され、UNHCRとパートナー団体もこのプログラムを支援しています。現在、ボランティアとして災害が起きた時の初動をどうするか、20人がシミュレーション、劇や歌などを通じて学んでいます。
バングラデシュでこのプログラムが導入されてから、サイクロンによる被害者は劇的に少なくなりました。ロヒンギャ難民キャンプでも、多くのボランティアが育ち、被害軽減につながることが期待されています。
▶くわしくはこちら(英語)
▶ロヒンギャ難民キャンプの様子はこちら(YouTube)