UNHCRはイラク北部の50万人を超す避難民のために大規模な支援事業を継続して行なっているが、避難場 […]
UNHCRはイラク北部の50万人を超す避難民のために大規模な支援事業を継続して行なっているが、避難場所の不足は依然として深刻だ。エイドリアン・エドワーズUNHCR報道官は多くの学校施設が避難場所になっている現状に言及した上で、来る冬に備えてテントやその他の居住設備を早急に増設する必要があると語った。
UNHCRは、陸、海、空を組み合わせた支援物資の輸送を8月20日に開始したが、テントの数は依然として不足している。この先数日間で、ノルウェーからの支援により、さらに10機がおよそ85万人の避難民を抱えるクルディスタン地域のアルビルに到着する。空輸機は4万枚の毛布と1万セットの調理器具、1万8000個の水くみ容器を運んでいる。
エドワーズ報道官は、目下のところ新たに避難を強いられる人の数は減っているものの、各地で紛争が続く中、状況は予断を許さないと語った。「支援を広範囲に行き渡らせる必要があります。避難場所や緊急支援物資の提供に加えて、食糧支援、医療支援、教育支援にも取り組んでいきます」
現在イラク国内には8つのキャンプがあり、4万人近くが避難している。しかし避難民の大多数は、依然としてキャンプではなく公共施設や工事中の建物、モスクや教会、学校で寝泊りしている。現在、イラク国内で2000を超える学校施設が避難所として使われている。
UNHCRは緊急支援物資の提供に加え、賃貸住居に暮らす避難民への金銭的支援を行なっている。これまでに1990世帯、約1万2000人がこの支援を受けている。エドワーズ報道官は、「現金を支給された人々はその時最も必要としているものを買うことができる」とし、今年中におよそ5万人に金銭的支援を届ける見込みだと語った。
イラクの避難民の支援にあたり、冬までの残された時間が最大の問題になっている。3ヶ月足らずで気温は平均10度ほど下がり、雨期が始まる。大量の防寒着や暖房装置が必要とされている。
1月以来、イラク国内で約180万人が避難を強いられており、避難先は1500ヶ所に分散している。またイラクには21万5000人のシリア難民も避難している。
エドワーズ報道官は、イラクの国内避難民と、避難民の受け入れ団体を支援するため、金銭的支援を緊急に必要としていると強調した。今後UNHCRはイラクの国内避難民を支援するため315万米ドルの寄付を呼びかける予定だ。この寄付は、主に生命の危険にさらされた避難民の保護活動や、冬の防寒対策を含む避難民の最も緊急な基本的ニーズを満たすために使われる。
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