コンゴ民主共和国、赤道州、2013年4月12日発
アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官は4月12日、コンゴ民主共和国北部、赤道州のウォロベ・キャンプを訪れ、2200人の難民と対話を行った。そして10年以上にわたって人道危機が続いているコンゴ民主共和国と中央アフリカに対しての支援を国際社会に向けて呼びかけた。
およそ3万7000人が中央アフリカの紛争から逃れるためウバンギ川を渡り赤道州とオリエンタル州に避難した。3月23日反政府武装勢力が首都バンギに侵攻した後に多くが避難することを決めた。
グテーレス高等弁務官は今回のコンゴ民主共和国訪問の理由を、「コンゴ民主共和国とその隣国、中央アフリカの‘忘れられつつある’人道危機に対して国際社会からの注目を集めるため」とし、紛争と暴力によって300万人以上が故郷を離れることを余儀なくされている現状を強調した。
20年近くに及ぶ紛争と不安定な政情により、250万のコンゴ人が家を失い、45万人がウガンダ、ルワンダ、ブルンジなどの周辺国に避難した。一方、中央アフリカでは18万8000人が長期にわたり避難している事に加え、新たに何千もの人が難民となり、国内避難民は17万3000人に及ぶ。
ウォロベ・キャンプ滞在中、グテーレス高等弁務官は、困難に直面している難民に対し、強い連帯意識を伝えるとともに、国際社会に支援を呼びかけていくことを表明した。同時に難民からは、清潔な水、食糧、シェルター、医療サポートが緊急に必要であるという訴えを受けた。
UNHCRとパーナー団体は、どうしたら支援物資を効率よく輸送出来るかという課題に直面している。何千もの難民が、国境に流れるウバンギ川600キロにわたり、アクセスの悪い場所に分散して避難しているからだ。
UNHCRは、ウォロベ・キャンプで難民登録、支援物資の供給、シェルターの設営、パートナー団体との医療・教育サポートなどにあたっている。
UNHCRは増え続ける難民のために600万米ドルの資金を割り当てたが、充分とはいえない。現在赤道州の北部では難民1万人を対象とした新たなキャンプが建設中である。
UNHCRはコンゴ民主共和国内で、国内避難民の支援に加え、他のアフリカ諸国からの難民への支援、コンゴ共和国、アンゴラ、ルワンダ、ブルンジなどへの帰還支援も実施している。
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