UNHCRシリア緊急対応(2013年4月2日〜22日)
4月17日、シリア西部の都市ホムスの北25キロにある村タルビセ (Talbisseh) に避難する人に生活必需品を届ける国連合同の物資配布が行われた。国連機関7団体に加え、シリア・アラブ赤新月社が関わるこのミッションは、今までアクセスの悪さや不安定な治安のため到達できなかった地域に避難している人々に物資を届けることが目的だ。ホムスを出発後、過酷な状況の中、4万5000人が避難生活を送るタルビセまで護送部隊をともない支援物資が搬送された。UNHCRによって届けれられた物資は毛布3000枚、調理器具3000セット、子ども用オムツ3000枚、大人用オムツ1000枚などで合計3000人に届けられた。UNHCRは非常に過酷な環境で避難を続けるシリア人支援のため、今後もこうした他の組織と協働した事業を行っていく予定である。
UNHCR、人道支援への予算を増額
これまでにUNHCRは、イドリブからアレッポ北部にかけて避難する3万人にテントや毛布などの生活必需品を届けた。UNHCRはシリア・アラブ赤新月社と協働して今後も引き続き物資の支援を続けると共に、中でも特に困難な状況にある人々に対してさらなる支援を実施する。1張あたり60キロもあるテントを設営するに当たり、排水・整地などの地盤整備は必要で、それは地元の団体との協力しながら進めている。
2013年に入ってから今日まで、UNHCRは、45万2000人、約9万400世帯の支援が必要な人々に対し、4369張のテント、約30万枚の毛布を含む130万7439個の生活支援物資を供給してきた。
拠点拡大
悪化するシリア国内の治安状況に対応しながら人道支援を継続するため、UNHCRはホムスとタルトスに国連各協力機関の拠点に参加することでその事業を拡大している。これにより、ヨルダンとの国境が断続的に閉鎖されたとしても、タルトス港からの支援物資の補佐的供給ラインを確保できたことになる。
UNHCR、緊急医療要請に対応して医薬品を届ける
シリア危機により、地元のほぼ全ての薬品会社局が閉鎖したため、薬の供給が途絶えてしまった人々の緊急の医療ケアの要請に応えるため、UNHCRは抗生物質19万8260ドル相当の医薬品を厚生省の倉庫に届けた。うち最も必要とされている薬品はシリア特有の病気である感染症、ブルセラ病の治療に使われる。UNHCRはシリア厚生省と協働して医療ニーズの調査を行い、まず3月に最初の医療支援物資が届けられた。合計では、350万米ドルに相当する医療支援物資が届けられることになる。
3月に926人が第三国定住で出国
IOM(国際移住機関)によると、3月だけで926人のシリア人がベイルートの空港からシリアを後にした。(内、906人はUNHCRの支援対象者)。大多数が第三国定住者であるが、UNHCRの仲介による家族や知り合いからの呼び寄せのケースもあった。その多くがパスポートや出国ビザの手配の際UNHCRの保護チームの支援を受けた。4月前半には、計140人のシリア難民、68人がアメリカへ、70人がオーストラリアへ、2人がフランスへ向けて出国した。