ヨルダン、アンマン 2013年8月15日発
UNHCRはシリア国内に取り残された人々のための、過去最大の緊急支援物資を積んでドバイを出発した。シリア国内避難民にはドバイの備蓄倉庫から、アラブ首長国連邦、サウジアラビアを陸路で経由しヨルダンにあるUNHCRの備蓄倉庫に届けられ、そこからシリアの国内避難民に配られる。
「UNHCRは、紛争により家を追われシリア国内または周辺国で避難生活を送る人々を支援している。この支援物資は危険にさらされているシリア人家族が、紛争地で生活必需品を受け取ることを可能にする。」と、中東・北アフリカ局長であり、地域難民調整官であるアミン・アワッドは語る。支援物資は10万人分の毛布、13万9000人分として2万7000セットの台所用品、12万5000人の命を救う水くみ容器5万個などである。
今年だけですでに、UNHCRは紛争によって家を追われたシリア国内にとどまる160万人以上に緊急支援物資を届けた。内戦が勃発してからの2年半で延べ360万個の緊急支援物資を紛争地域を含むシリア国内で配布した。
「先週UNHCRとパートナー団体はシリア北西部イドリブにトラック9台分の支援物資を運んだ。これは1万人分に当たる量だ。イドリブはまだ頻繁に戦闘が行われている地域でもある。」とシリア事務所代表、タリク・クルディは言う。
シリアの首都ダマスカスで、現在UNHCRはシリア国内避難民に対する二度目の現金による支援を終えようとしている。2013年はこれまでに7000家族、3万6000人以上が合計98万4000ドルの現金による支援を受けている。「UNHCRは現金支援を受けられる人々の基準を設け、慎重に審査を行っている。現金支援を受けている多くの人々は障害を持っているか、深刻な健康状態にある。」
ドバイを発ったトラック33台分の支援物資は、425万人の国内避難民がこの冬に備えるためのものの一環だ。シリア国内全体では人道支援を必要とする人々の数は680万人以上にのぼると想定されている。
UNHCRは周辺国に逃れた190万人を超えるシリア難民の支援も行っている。レバノンには68万4000人、ヨルダンには51万6000人、トルコには43万4000人、イラクには15万4000人、エジプトには10万7000人のシリア難民が避難している。しかしながら、UNHCRのシリア地域対応計画に必要な資金は、現状38%しか集まっていない。
ドバイ政府とハヤ王妃主導によるドバイ国際人道都市(Internatinal Humanitarian City)が、毛布、テント、台所用品などの35万人分の支援物資を備えることによって、この地域におけるUNHCRの重要な輸送拠点の役割を果たしている。
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