無国籍者保護へのカギ
「無国籍者の地位に関する1954年条約」と「無国籍の削減に関する1961年条約」は、世界中の無国籍者を保護し、無国籍を防止・削減に向けたカギとなる法文書です。各地域の諸条約の基準や国際人権法によって補完されていはいるものの、上記2つの無国籍条約が無国籍に特化した国際法の枠組みとなります。
何十年もの間、この条約への新たな批准・加入はごく少数にとどまっていましたが、2011年の12月7、8日にジュネーブで開催されたUNHCRの難民条約発足60周年記念閣僚会議で、30カ国以上の政府が、近い将来いずれかまたは両方の条約に加入する旨を宣言し、少しずつ改善の動きがみられてきました。
UNHCRは1961年条約の50周年の機をとらえ、2010年に2つの無国籍条約への加入を促進するとりくみをを開始しました。また、2014年には、2024年までの無国籍根絶を目指した「#IBelongキャンペーン」を開始しました。結果はすぐに形となって表れ、1954年条約の締約国数は2010年から2021年8月末までの間に、65から96に、1961年条約の締約国数は33から77に増加しました。
こうして条約加入に弾みがつくことで、無国籍の防止・削減、さらには世界中の無国籍者の保護のための国際的な法的枠組みの形成の支えとなることが期待されます。
▶無国籍に関する国連条約について(英語)はこちら
▶UNHCRファクトシート:無国籍の削減に関する1961年条約(英語・日本語)
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