ルード・ルベルス

ルード(ルドルフス)・ルベルス(Ruud Lubbers)は第9代の国連難民高等弁務官として2001年1月に就任した。オランダ前首相で、1991年から2000年末まで高等弁務官を務めた緒方貞子氏の後任となった。

2001年1月3日、スイス・ジュネーブのUNHCR本部に着任したルベルス高等弁務官は、職員に向けて「世界の難民を援助するため、最小限のお役所主義と、最大限の柔軟性を」と呼びかけ、さらに「世界120カ国で援助活動に携わる5000人のUNHCR職員と共に働きたい。皆さんの協力を望みます」と述べた。

また、緒方貞子前高等弁務官の10年にわたる功績を称え、UNHCRが難民援助によって築きあげた信望を守り続けていかなければならないと語った。UNHCRの財政状況については「難民問題は財政支援を得るに値する」と述べ拠出国への理解を求めた。

またルベルス高等弁務官は、世界の難民が個人としてあるいは集団で成し遂げてきた成果は敬意を払うべきものであり、UNHCR設立50周年とは、そのことを世界の人びとに知らせ、理解を得るふしめである、と述べた。

ルベルス高等弁務官は、1939年5月7日オランダのロッテルダム生まれで62歳。オランダ・ナイメーヘンのカニシウス大学で学び、1962年、オランダ経済大学(現ロッテルダム大学)を卒業。家族の会社の経営に携わった後、1973年、経済大臣として入閣し、政治家の道を歩み始める。1982年から1994年までオランダの首相を務め、戦後のオランダ首相としては最も長く政権を率いた。

政界引退後は、オランダのティルブルグ大学で「グローバル化」と「持続可能な開発」を講じ、また米国ハーバード大学のジョン・F・ケネディ行政大学院の客員教授として招かれている。さらに、海洋に関する世界独立委員会(Independent World Commission on the Oceans)副議長、ティルブルグ大学の「グローバス(グローバル化と開発研究所)」所長を務めてきた。また1999年11月、世界自然保護基金(WWF)の総裁に選出されている(現在は退任)。

既婚、3人の子どもの父。