第52号(XXXIX) -1988- 国際的連帯および難民の保護 *1

執行委員会は、

世界中の難民問題の重大さおよび複雑さ、それに伴う深刻な人権侵害、ならびに、その無数の被害者が被る混乱および苦難を依然として深く憂慮し、

難民問題が国際社会の関心事であり、その解決が、真の人道主義および国際的連帯の精神にもとづき、協調してかつ誠実に対応する各国の意思および能力にかかっていることを再確認し、

各国が、難民に対し保護および最低基準の取扱いを与える義務または責任を有していること、ならびに、これらの義務または責任を誠実に果たさなくてはならないことに留意し、

難民に保護を与える緊急の必要がある中でUNHCRが設置されたこと、および、その保護の任務こそUNHCRを無比の存在として特徴づけていることに留意し、

  1. UNHCRの保護の任務を定めた諸国が、活動を支える基本的な人道的諸原則にもとづいて任務を遂行するUNHCRに協力する責任を有していることを強調し、
  2. 各国およびUNHCRが、難民問題の解決および難民の基本的権利の国際的保護という共通の目的を共に追求していることに留意し、
  3. 国際的連帯の原則が、庇護の付与に対する人道的なアプローチを奨励し、および、国際的保護一般を効果的に実施するにあたり基本的な役割を有することを強調し、
  4. あらゆる状況において、基本的な人道的諸原則を尊重することが国際社会のすべての構成員にとっての義務であること、および、これらの原則を十分に実施するにあたり、国際的連帯の原則が最も重要であると理解されることを想起し、
  5. すべての国家に対し、二国間および多国間のあらゆる適切な手段により高等弁務官の保護の任務を今後も積極的に支持し、ならびに、難民に対する人道的責任(特に、迫害からの庇護を求めかつ享受する権利を保障することおよびノン・ルフールマン原則の完全な尊重を確保することを含む。)を遵守するよう促した。

*1国連総会文書No.12A(A/40/12/Add.1)に含まれている。