8月12日の「国際青少年デー」、ユニクロのSNSにアップされた写真に登場したのは、「ユースなんみんプラットフォーム」*と「EmPATHy(エンパシー)」**のメンバー。UNHCRのグローバルパートナーのファーストリテイリングを親会社に持つユニクロ・ジーユーと、難民支援活動を行うユースの“初コラボ”です。
きっかけは今年春ごろ。「ユースなんみんプラットフォーム」の前代表、金澤伶さんが登壇したイベントがきっかけで、ファーストリテイリングの担当者とつながったこと。なぜ難民支援に取り組むのか、世界各地で起こっている人道危機、そして、最近のユースの関心事などについて、意見交換が行われました。
ファーストリテイリング広報部でサステナビリティコミュニケーションを担当するシェルバ英子部長は「実は、10年近く前に“J-FUNユース”と一緒に、世界難民の日などで一緒に取り組みを実施していたことがありました。少し疎遠になっていた時期もあったのですが、最近UNHCRと一緒に熱心に難民支援の取り組みをされている金澤さんの存在を知り、ユースの活動に興味を持ちました。
学生たちの難民支援に対する熱い思いは変わらない―。そうあらためて感じ、当社が現在力をいれているプロジェクトの考えにも通じる、ぜひ一緒にさまざまな取り組みを実施したいと思いました」と話します。
この日をスタートに、世界の平和のために、一緒に活動できることはないか―。そうして実現したのが「PEACE FOR ALL」を通じた連携でした。
「世界の平和を心から願い、アクションする」―「PEACE FOR ALL」は、そんなユニクロの想いに賛同した著名人がボランティアでデザインし、そのTシャツを販売するプロジェクト。利益の全額は、UNHCR***を含む3団体に寄付されるという仕組みです。
ユニクロのTシャツを通じて、ユースにしかないパワーで、平和への願いを発信してほしい。その想いに応えたのは、ユースの12人のメンバーでした。青山芽以さん(大学生)は、「『グローバルをめざす企業としてやらなければならないことがある』。担当の方の言葉に心を動かされました。私たちも若者として、そのような高い情熱を持つ企業と共に活動をしたいと考えました」と話します。
当日はスタジオで、プロのカメラマンによる本格的な撮影。最初は緊張した面持ちだったユースでしたが、「プロのヘアメイクさんにきれいにしていただき、カメラマンさんがノリノリで撮ってくださったので、笑顔が絶えない楽しい撮影現場となりました」と、河内愛稀さん(社会人)は振り返ります。
この日、撮影に参加したユースは、国籍も背景もさまざまでした。「難民の背景を持つ人、日本のルーツを持つ人、日本と外国のルーツを持つ人が年齢関係なく、笑顔で過ごせる社会を目指したいという気持ちが強くなりました」と高桑樹理さん(社会人)。シリア出身のラシャッドさん(大学生)は、「紛争を経験して、私自身、心から平和を願うようになりました。直接誰かを助けることはできないけれど、このように活動を広めることで貢献していきたい」と力を込めます。
そしてこの夏、UNHCRが開催する「ユース難民アートコンテスト」でも、ユースが力を発揮しています。今年のコンテストは、ユニクロとの共催で、優秀作品はユニクロのTシャツのデザインに採用されることが決まっており、全世界のユースを対象に、アート作品の募集が行われました。
そして、より多くの人にコンテストについて知ってもらうために、ユニクロ・ジーユーとの主催で、8月半ばに子どもを対象としたワークショップをUNIQLO PARK横浜ベイサイド店で開催。ユースなんみんプラットフォームのメンバーが、世界の難民問題について伝え、一緒に絵を描くなどして、会を盛り上げました(くわしくはこちら)。
これからも、難民支援への理解と共感を広げるために、いろいろな可能性を模索していきたい。
ユースたちは新たに踏み出した一歩を広げるために、前に進んでいます。今年12月にジュネーブで開催される「グローバル難民フォーラム」に向けて、日本でも“ユース版”のフォーラムの企画が進行中です。
一人ひとりにできることがある。新たな挑戦を続け、難民支援の輪を広げていくユースの活動をUNHCRは応援しています。
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