日本政府は、ミャンマーからバングラデシュに避難しているロヒンギャ難民への支援として、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に3億9,100万円(約290万米ドル)の無償資金協力を決定しました。
今回の日本の協力を通じて、UNHCRはコックスバザールとバシャンチャール島に避難しているロヒンギャ難民の命を守るための人道支援と保護を強化します。
UNHCRは日本の寛大な支援を受けて、コックスバザールでは、シェルターと非食料援助物資(スリーピングマット、毛布、石けんなど)の提供を続けることができます。さらに、シェルターをはじめ、排水管、橋、道路、階段、擁壁、斜面などのインフラの修繕も実施予定です。
バシャンチャール島では、コミュニティ主導のプロジェクトの実施、障がい者のサービスへのアクセス改善など、難民保護を強化するための活動を行います。
2017年8月に緊急事態が起こってから、日本はバングラデシュのロヒンギャ難民対応に継続的な支援を続けてきました。今回の協力を含めて、これまで2億米ドル以上をUNHCR、その他の国連機関、バングラデシュで活動するNGOに拠出しています。
今回の無償資金協力は、ケリー・クレメンツ国連難民副高等弁務官がバングラデシュを訪問した直後に、UNHCRと日本で交換公文の署名が行われました。クレメンツ副高等弁務官は、今回の視察を経て、難民、そして受け入れコミュニティが直面する人道的、生計向上のニーズを深刻にとらえています。現在は資金不足により、難民の命を守るために必要とされる、食料を含む物資の提供が十分にできていない状況です。
2023年、コックスバザールの93万人、バシャンチャール島の3万人のロヒンギャ難民、また、その周辺のコミュニティのバングラデシュ人49万5,000人を含む約150万人を支援するために、人道支援機関により8億7,600万米ドル以上の資金が要請されました。その共同対応計画に対して、2023年6月時点で、約28パーセントの資金しか確保できておらず、人道危機の拡大を防ぐためには、予測可能かつ持続的な資金が必要です。
UNHCRバングラデシュ代表 ヨハネス・バンデール・クラウ
「日本からの支援は、ロヒンギャ難民が暮らすキャンプがサイクロン『モカ』やここ最近の火災により被害を受け、生活を再建しようとしている重要な時期に決定しました。今回の追加の資金協力は、特に子どもや女性など最も脆弱な人々に対して、より良い再建に必要なシェルターの資材の提供、さらなるリスクから守るための支援に大変役立ちます」
岩間公典 駐バングラデシュ日本国特命全権大使
「このたびUNHCRに290万米ドルの無償資金協力を決定でき、大変うれしく思います。シェルターの再建・改修、避難用地の整備・開発を通じて、防災を含む難民保護の強化につながることを願っています。日本は難民のミャンマーへの帰還支援を含めて、持続可能な解決策に向けて取り組みを続け、UNHCRをはじめとした国際機関と連携し、難民と受け入れコミュニティの生活環境の改善に取り組んでまいります」
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