UNHCRと自治体との連携強化に向けた活動の一環として、UNHCR駐日首席副代表のナッケン鯉都が神奈川県鎌倉市を訪問しました。
■NPO法人アルぺなんみんセンター
鎌倉市を拠点に活動する「アルぺなんみんセンター」が、日本最大規模の難民シェルターを立ち上げたのは2020年4月。難民を歓迎できる社会づくりを目指して、“難民の友に、難民と共に!”をモットーに活動しています。
このシェルターでは、3年間で20カ国、49人を受け入れてきました。最初は数人で始めた施設でしたが、今では地域から多くの市民がボランティアとして参加し、地元で育てた野菜や魚などの差し入れも届くといいます。
このような地域の動きは、同センターが地道に続けてきた地域でのイベントや講演会、施設のオープンデーなどによって実現しています。その支援の輪は全国にも広まり、“少しでも力になりたい”と、各地から寄せられた寄付も大きな支えとなっています。
有川憲治事務局長は「このシェルターには、さまざまなバックグラウンドの人が集まっています。国や言葉、日本に来た背景が違っても、お互いを支え合いながら暮らしている姿に、私たちが学ばせていただいています」と話します。
この4月には、東京都小金井市に新たに2つ目のシェルターを開設。地域ぐるみで支える難民シェルターのモデルを、新たな場所でも推進していく計画です。
■ 松尾崇 鎌倉市長
鎌倉市では、アルぺなんみんセンターのような難民支援を基盤に、自治体、市民団体、企業、メディアなどで「鎌倉なんみん共生フォーラム」をつくり、UNHCRなどの難民支援機関とも連携しながら、その活動を“鎌倉モデル”として広めていこうという動きが市民レベルで始まっています。
松尾市長は「私もアルぺなんみんセンター訪問したことがありますが、このような活動は、若い世代を含む幅広い層の市民の皆さん、そして私自身の意識にも変化をもたらしていると感じます」と話しました。
鎌倉で市や市民団体などが進める多文化共生の活動は、UNHCRが推進する「社会全体で取り組む難民問題」のモデルともいえます。 今年12月の「第2回グローバル難民フォーラム」に向けて日本社会の関心を高めるために、UNHCRからも自治体としてのさらなる協力をお願いしました。