「僕、あなたのこと知ってるよ!レバノンで会ったよ!」。数カ月前、両親ときょうだいとセルビアに到着したシリア難民の少年はそう叫びました。目の前にいるのはUNHCR親善大使のMIYAVI。5年前にMIYAVIがレバノンの難民キャンプを訪問した時のことを、小さな少年は鮮明に覚えていたのです。
今年3月、セルビアでコンサートがあったMIYAVIは、短い滞在の合間を縫って、首都ベオグラード郊外クルニャチャにある庇護施設を訪問。庇護希望者と難民と交流しました。その中の一人、マーディは4年前にイランからセルビアに避難し、セカンダリースクールに通う18歳になったばかりの青年。英語、セルビア語、アラビア語、ペルシャ語を話すことができ、難民をテーマにした映画『Game』にも出演。前日のベオグラード国際映画祭で上映されたばかりのこの作品は、密輸入者がバルカン半島の地方で2人の難民の子どもと出会い、ヨーロッパの西に向かって避難するというストーリー。MIYAVIから「国際的スターだね!」と祝福されるとうれしそうな表情を見せました。
MIYAVIはわずかな時間でしたが、ブルンジ、イラク、シリアから避難してきた子どもたちとも交流しました。
MIYAVIがギターを手にし、かき鳴らすと、子どもたちはわくわくしながらその様子を見ていました。そのほかのメンバーも、タンバリンとドラムのスティックの使い方を子どもたちに披露。そして、即興コンサートのはじまりです。MIYAVIは2、3曲披露し、そのうちの1曲が難民支援の現場からインスパイアされて生まれた「The Others」でした。
そして施設の外に出てみんなでサッカーを楽しみました。
翌日の晩、ノヴィサドで開催されたMIYAVIのコンサートのホールは、熱狂的な若者たちで埋め尽くされていました。日本語の曲もありましたが、すべての曲を知っているファンたちです。途中のトークで、MIYAVIはUNHCR親善大使としての活動について紹介し、ウクライナで刻々と激しさを増している紛争により多くの人が故郷を追われていること、世界各地に何千万人にもおよぶ難民が直面している困難にもふれ、会場のファンたちに支援を呼びかけました。
「MIYAVIがセルビアに来てくれたことを本当に感謝しています」。そう話すのはUNHCRセルビア代表(当時)のフランチェスカ・ボネッリ。「声なき人々、世界各地の難民のために声を上げてくれている。今回のMIYAVIの訪問は、私自身、そして同僚たちの刺激になりました。私たちはこれからも、あなたの取り組みや情熱に刺激を受け続けます」。
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