世界で8,000万を超える人々が故郷を追われるなか、その4割以上は子どもです。なにも悪いことをしたわけではない、紛争や迫害により、住み慣れた故郷から避難するしか選択肢がないのです。
そしてその多くが、故郷から離れた避難先で子ども時代を過ごしています。時には、大切な家族や友達とも、離ればなれになってしまった子もいます。
でも子どもたちには、困難を乗り越え、日々を生き抜くたくましさがあります。勉強したり、遊んだり、探検したりしながら、一人ひとりがトラウマと向き合い、家族や周りの人を巻き込んで力を得る術を知っているのです。そして、そんな子どもたちが人生が建て直すうえで、こころのケアと教育は重要な役割を果たしています。
UNHCRは2019年、イギリスの児童書出版社との協力のもと、安全を求めて故郷を追われた難民の子どもたちの絵と言葉を集めた『Forced To Flee: Refugee Children Drawing On Their Experiences』(Hachette)を出版しました。
この本では、近年多くの難民が発生しているシリア、南スーダン、中央アメリカが取り上げられています。UNHCRはこれらの地域で、子どもたちに自分の経験を絵で表現してみました。多くは紛争による苦しみや喪失、避難生活が伝わってくる悲しいものでしたが、中にはカラフルな色使いで希望あふれる絵もありました。
この本では、教育用の教材の要素として、難民とはどのような人なのか、なぜ故郷から避難して国際的な保護を求めるのか、また、そういった人たちを支援するUNHCRやパートナー団体の役割についても解説しています。
そしてこのたび、本書籍の日本語版『紛争・迫害の犠牲になる難民の子どもたち』(UNHCR 著、UNHCR駐日事務所 協力、櫛田理絵 訳)が合同出版から出版されました。
難民の子どもたちの絵を通じて、難民支援の現場の“いま”が見えてきます。UNHCR駐日代表カレン・ファルカス、UNHCR親善大使もメッセージを寄せています。ぜひ多くの方に手に取っていただきたい一冊です。
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