日本政府はマラウイ中部のザレカ難民キャンプ拡張のため、無償資金協力を行いました。
201ヘクタールの敷地にあるザレカ難民キャンプは、108ヘクタールが住居で埋め尽くされ、公共施設やインフラも十分に整備されていません。当初は1万人を想定していましたが、2019年11月末時点で、4万4530人の難民、庇護申請者の登録にまで膨れ上がっています。出身国はコンゴ民主共和国が最も多く、ブルンジ、ルワンダ、ソマリア、エチオピアから逃れてきた人もいます。
日本政府はザレカ難民キャンプの混雑解消、生活環境の改善に向けて、住居や水道、衛生施設の建設などに総額41万7000米ドルの資金、物資援助を実施。2019年11月に現場を訪問した柳沢香枝大使(当時)は、「故郷を追われた人たちのより良い生活のために、日本政府としてこれからも支援を続けていきたい。これは日本とUNHCR、マラウイ政府の連携の象徴でもある」とし、今回の日本の協力は、マラウイが定める区画整理の基準に沿った難民キャンプの混雑解消、人口密度の高い居住区の発展の実現に向けた一歩にもなったと話しました。
UNHCRマラウイ代表は、日本政府の支援への感謝を述べるとともに、ザレカ難民キャンプが直面する課題解決に向けて、この地域の区画整理、道路整備、衛生施設や公共スペース建設のために各国政府からの資金援助が必要であると訴えました。
また、難民キャンプの人口増加は火事や健康被害のリスクにつながると強調。日本の支援を受けて行った今回のプロジェクトは、難民キャンプの混雑解消のみならず、受け入れコミュニティと公的サービスや施設をどう共有していくか、難民とマラウイの人たちが持続的かつ平和にどう共存できるかのモデルにもなり得ると話しました。