「彼らはすべてを奪い、村に火をつけ、私たちの仲間を殺した」
コンゴ民主共和国北東部イトゥリ州で妻と幼い子どもたちと暮らしていたサミュエル(32)。故郷で激化する暴動を逃れて、近隣の村で野宿をして数カ月を過ごしました。食べるものも十分にない日々。厳しい状況に耐えきれず、上の子どもたちを近くの村に住む祖母の家に預け、わずかな望みをかけて夫婦で村の様子を確認しに戻りました。
「安全が確認さえすれば・・・」。そう思っていましたが、そこで目にしたものは、完全に破壊された村と灰と化した家でした。「もう戻れない」。末っ子だけを連れて、お金を借りてボートに乗りアルバート湖を渡りました。向かった先は隣国ウガンダ。祖母の家に預けた子どもたちを迎えに行く時間はありませんでした。
2019年6月の1カ月間で、ウガンダには7,500人ものコンゴ難民が避難してきています。国境を超えて逃れてくる人の数は1日平均311人。前月と比べて2倍の数字です。国内避難民の数も30万人を超えています。
湖を渡ってウガンダに逃れてきた人たちを迎える施設は、次から次へと逃れてくる難民であふれて返っています。45キロ離れたカゴマの受け入れ施設に移動した後、UNHCR、ウガンダ政府、パートナー団体による支援を通じて難民定住地への移送が行われます。
着の身着のまま故郷を追われた人たちは、サミュエルのように家を焼かれたり、家族を殺されるなどの残酷な経験をした人ばかり。大きなトラウマを抱えているため、心理的な医療支援も重要です
ウガンダはアフリカ最大の難民受け入れ国。その数は120万人以上におよんでいます。一番多いのは南スーダン、コンゴ民主共和国からの難民は27%を占めています。
世界的に見てもウガンダは寛大な難民政策を推進してますが、2019年6月時点で難民支援に必要な資金の16%ほどしか集まっておらず、国際社会からの早急なサポートを必要としています。
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