東京(30日)発――UNHCR駐日事務所と青山学院大学は難民を対象とする推薦入学・奨学制度に関する協定書を締結した。同大学は、2008年4月から毎年UNHCRが推薦する1名を選考し、正規学生として受け入れる。
この制度では、入学試験検定料及び難民学生の入学金、学費、及び諸会費を全額免除し、4年間を上限として卒業までの期間において月額10万円を支給する。選ばれた奨学生は同大学の学部19学科から専攻を決めることができる。
UNHCR駐日代表の滝澤三郎は「この制度によって日本で進学希望をしている難民学生への高等教育の機会を提供いただく青山学院大学に謝意を申し上げるとともに、日本の国際教育のあり方をリードし、このような機会が1人から2人、さらに他校へも拡大することを期待したい。」と述べた。
高等教育での難民の推薦入学・奨学制度は専門性を生かした画期的な難民支援であり、以前から要望が高かった 関東圏の大学での推薦入学・奨学制度設立は同校が初となる。
日本にも多くの難民が生活しているが、経済的事情や母国の出身校の証明書が得られないなどの理由で中・高等教育を受ける機会を失っている場合があり、それが難民の就労条件、経済的事情の悪化に繋がり悪循環を生んでいる。同制度はそのような人たちに対して高等教育の機会を提供する。
奨学生の対象は、日本居住の難民(条約難民、インドシナ難民、補完的保護を受けている難民など)で、UNHCRが推薦する者となる。その他の条件として、外国若しくは日本における学校教育年の過程を修了している(または同等以上の資格があると大学側が認めた)こと、経済的な理由により日本における高等教育が困難なこと、大学の授業を受けに足る日本語能力を有していることが挙げられる。
UNHCR駐日事務所と青山学院大学は、この制度で入学した学生が高い教養と専門性を身につけ、日本・母国あるいは国際社会において平和構築や社会発展のためのリーダーとして活躍することを期待している。
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